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    『冥王星パーティ』平山瑞穂

    冥王星パーティ
    冥王星パーティ
    平山 瑞穂 2007/3/20発行 新潮社 P.293 ¥1,575
    ★★★★★
     よく言えば純粋な、悪く言えば、なにか大事なものに対する免疫が絶望的に欠けている男たち。そういう男たちに、なぜ自分はくりかえし惹かれてしまうのだろう。結局は、まさにその「純粋さ」に対する気後れや嫌悪から、逃げるようにして身を引くことになるのに。

    証券会社のエリートサラリーマン、28歳の「衛」が、偶然見つけたインターネットのサイトで、顔を巧妙に隠し、様々なコスチュームを身に纏った自身の猥褻画像を公開している女のプロフィール、そこには懐かしい「shoko tuzuki」の名前。

    まさか…と、思いつつサイトの日記を読み進めていくと、そこには明らかに「衛」との11年前の思い出が詳細に綴られており、あの「祥子」に間違いないと確信する「衛」。

    自意識過剰で、繊細でナイーブだった高校生の頃、周囲の誰からも馬鹿にされていると感じ、こもりがちだった「衛」が、互いの共通の趣味である本の貸し借りから始まり、初めてデートをした相手、芯が強く、しっかり者だった「祥子」が何故、こんなことを…。

    会わなくなってからの11年の間に彼女に何が起きたのかと不安に駆られ、思わずサイトに書き込みをした「衛」の前に現れたのは、同じように過去の彼女を良く知るという男。

    そして、男に誘われるまま、今は行方知れずになっている「祥子」の消息を訪ね歩くうち、「衛」は現在の「祥子」に近づいていき……。

    「そこそこ美人。要領もいいし、頭だって悪くない。なのに、なんで私はいつも男の選択を間違っちゃうんだろう−。迷走する恋愛の果てに射しこむひとすじの光。透明に深く輝く青春小説。」だ、そうで。


    この人の人生で、いったい何が起こったのか…「何が、何があった?」と、とにかく先が気になって、休む間もなく一気に読んでしまった。

    高校生の頃から、決して周囲に流されることなく、自分自身の道をしっかりと生きているかのように見える「祥子」が、こんなことで自分を見失ってしまうとは…とほほ。

    そして、男手一つで「祥子」を育て、子供の頃には、かっこ良くて「祥子」の自慢だった父親の変貌振りも、また悲し。

    高校生の頃の、センスのかけらもない、ダサくて暗くて、でも志しだけは高かった少年「衛」への「祥子」の気持ちは、本当に純粋で微笑ましくて頼もしかったのに、「衛」の「祥子」への気持ちは、やっぱりちょっとコワかったかな…。

    大学の先輩も、度が過ぎててコワいし(かっこいいのに勿体ない…)、「祥子」が一番仲の良かった女の子の存在も、なかなか意地悪で「これぞ女友達」という感じで、リアルにコワかったけど。

    「衛」とのことがきっかけで、人生を左右することになる「音楽」と出会い、そして…という展開は、実際に、人の目標とか、夢とかのきっかけって、そういうものなのかもしれないなと。

    自分でも「しっかりしているし頭もいい」と心のどこかで思っていたという「祥子」が、自分のことを「どこにでもいるバカな女の一人…」と自覚することで、心が軽くなったというのは、何かよく分かるような。

    こういうタイプは、決して道を踏み外したりしないんだろうな…というような、良く出来た主人公が、たかが「男」(されど「男」かな、私も人のこと言えないし…)のことぐらいで、こんなになってしまうのが、人間らしくて愚かしくて、面白いといえば、面白かったのかも。

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