スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『ひまわりのかっちゃん』西川つかさ

    ひまわりのかっちゃん
    • 著:西川つかさ
    • 出版社:講談社
    • 定価:1365円
    livedoor BOOKS書誌データ / 書評を書く

    ★★★★★
    (字が書けなかったり読めなかったり、算数ができなかったりすると損をする。わがらないごとがわかると、おっかなくなくなる)――そのとおりだと思った。
     勉強をするということは、そういうことなんだと、かっちゃんは強く思った。
     と、急に、かっちゃんは、なぜだか笑いがこみ上げてきた。
     おばけだと思って怯えていたのが、実は風に吹かれて揺れていた木の枝の影だったことがわかったときにこみ上げてくるようなおかしさだ。

    小学2年生に進級する際、その小学校の特殊学級である「ひまわり学級」に入ることを勧められ、泣き崩れる母親をよそに素直に喜ぶ「かっちゃん」。

    自分の名前すら書くことができず、足し算も引き算も、およそ勉強というものが全くわからなくて、運動も苦手で多少太り気味の「かっちゃん」は、「はんかくさい(とろい、のろいの意)子ども」と母親や周囲の大人たちからは認知され、二つ年上の出来の良い「お兄」や弟たちとくらべられて、何かと理不尽な差別を受けることを受け入れられず、弟を傷つけてしまったり、親戚の家でとんでもないことをしてみたり…。

    そんな、小学4年生まで劣等感を抱き続けながらもすくすくと育った「かっちゃん」に、それまでの生き方をがらりと変えてしまう「運命」の出会いが訪れることに。

    父親の仕事の関係で引っ越すことになった「かっちゃん」の一家が次に住むことになった町の小学校には「特殊学級」がないため、このままでは一人だけ遠くの「養護学校」に通わなければならないと母親から言い含められ、普通のクラスに入れるかどうかの面接を受けることになった「かっちゃん」を迎えてくれたのは、この学校に赴任する前、ペルーで教鞭を揮っていたと言う「森田先生」。

    最初は「森田先生」の言葉に訝しがりながら耳を傾ける「かっちゃん」は、次第に「森田先生」の、これまでとは全く異なる勉強法に興味を抱きはじめ、春休みの間の猛勉強の末……。

    「かっちゃんはひまわり学級になった。
     ひらがなも満足に書けなかった。
     おかあちゃんは泣いたり怒ったり。
     少年の未来は明るいのだろうか?

    ボクを変えた奇跡の先生
    特殊学級にいた少年の笑いと涙あふれる成長物語」
    現在は放送作家として活躍する、西川つかささんという方が書かれた自伝的小説だそうで…。


    前半の「森田先生」と出会うまでの「かっちゃん」の生活と、後半「森田先生」と出会ってからの「かっちゃん」のあまりの変化に目を見張るというか、人間教え方一つでこんなにも成長できるものなのかと感動する傍ら、じゃあ、もしこんな先生に出会えなかったとしたら…と考えると、ちょっと怖くなる。

    「かっちゃん」をここまで変えてしまった「森田先生」の教え方は、今の学校の先生方に、是非見習っていただきたいような(でも、時代が違うから無理なのかな…)。

    「間違えたら、またやればいいだけのごとだべさ。……」という言葉は、大人の私にも言い聞かせたいし。

    自分のことを「かっちゃん」とよぶ司少年が、「かっちゃん」という呼び方を捨て、卒業式に臨む場面は、拭っても拭っても涙が溢れてしまって、文字がぼやけて読めなくなってしまったほどで。

    「ひまわりのかっちゃん」のタイトルの意味もすごく納得できるし、後ろに載ってる小学校当時のかっちゃんの写真と表紙のイラストを見比べて「にんまり」(あまりにもそっくりなもので…)。

    まさに「森田先生」と「かっちゃん」の出会いは、「奇跡の人」のヘレン・ケラーとサリバン先生との出会いを彷彿させるし、そこで『ガラスの仮面』のマヤちゃんと姫川歌子さんの演じたあのラストシーンを思い出してしまった(ううっ、いつになったら本当の『ガラスの仮面』の感動のラストシーンが見られるものやら…)。
    0

      1

      calendar

      S M T W T F S
            1
      2345678
      9101112131415
      16171819202122
      23242526272829
      30      
      << April 2017 >>

      読書メーター

      uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

      新刊チェック

      selected entries

      categories

      archives

      recent comment

      • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
        uririn
      • 『痺れる』沼田まほかる
        uririn
      • 『絶望ノート』歌野晶午
        uririn
      • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
        いちれん
      • 『痺れる』沼田まほかる
        くり
      • 『絶望ノート』歌野晶午
        智広
      • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
        uririn
      • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
        苗坊
      • 『永遠の0』百田尚樹
        uririn
      • 『永遠の0』百田尚樹
        苗坊

      recent trackback

      recommend

      recommend

      recommend

      recommend

      recommend

      recommend

      悪人
      悪人 (JUGEMレビュー »)
      吉田 修一
      読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

      recommend

      しずく
      しずく (JUGEMレビュー »)
      西 加奈子
      サイン本買っちゃった。

      recommend

      recommend

      たぶん最後の御挨拶
      たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
      東野 圭吾
      猫なんです…。

      recommend

      recommend

      recommend

      ねこの肉球 完全版
      ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
      荒川 千尋,板東 寛司
      たまらん。

      recommend

      ニャ夢ウェイ
      ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
      松尾 スズキ, 河井 克夫
      たまらん…

      recommend

      recommend

      僕たちの戦争
      僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
      荻原 浩
      とにかくお薦め。

      recommend

      出口のない海
      出口のない海 (JUGEMレビュー »)
      横山 秀夫
      たくさんの人に読んでほしい…

      links

      profile

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      みんなのブログポータル JUGEM

      使用素材のHP

      Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

      PR