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    『夢を与える』綿矢りさ

    夢を与える
    夢を与える
    綿矢 りさ 2007/2/28発行 河出書房新社 P.305 ¥1,365
    ★★★★★
    夢を与えるとは、他人の夢であり続けることなのだ。だから夢を与える側は夢を見てはいけない。恋をして夢を見た私は初めて自分の人生をむさぼり、テレビの向こう側の人たちと十二年間繋ぎ続けてきた信頼の手を離してしまった。一度離したその手は、もう二度と戻ってこないだろう。

    「無理やり手に入れた」年下の美しい夫との間に生まれ、夫を家に繋ぎとめておくのに十分過ぎるほどに愛くるしく、日に日に美しく成長していく娘を溺愛する母、幹子。

    幹子の友人の勧めから、6歳になった娘、夕子は「チャイルドモデル」としてマスコミに晒され、素人モデルとしての夕子の将来性を買うスポンサーから、半永久的なCM契約を持ちかけられ承諾することに。

    その日から夕子の成長は、CMとともに全国民に見守られることとなり、CMのイメージ通りの生活を強いられ、周囲の友達より少し大人びた夕子には親しい友人も出来ず、忙しくも淋しい日々の中で学生生活を送るのだが、ある日を境に、夕子にブレイクの波が訪れ……。

    「私は他の女の子たちよりも早く老けるだろう
    チャイルドモデルから芸能界へ――
    幼い頃からTVの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。
    ある出来事をきっかけに、彼女はブレイクするが……
    少女の心とからだに流れる18年の時間を描く 芥川賞受賞第一作」だ、そうで。


    『蹴りたい背中』から四年…大人になったのですね、としみじみするというか。
    あんまり芸能人のプライベートとかに興味ないから、物語に引き込まれるというほどのことはなかったけど(文章もその時その時思いついたことを挿入しているようで、ぶつ切りみたいな違和感を感じてしまったし)、この暗さとか絶望感みたいなのには、結構圧倒されたかも。

    「無理やり手に入れたものは…」という言葉通り、母親の幹子の夫の手に入れ方は、相手の幸せを全く考えずに自分本位で強引で、でも、そうまでして手に入れたい愛もあるのだなと、絶対そんな真似ができそうにない私は、ただただ感心。

    「どんな夜だって越せる、生きてさえいりゃいいんだから。
    しかし明けない夜はなくても、越せない夜はあるのではないだろうか。」
    という男からの連絡を待ち続ける、初めての恋を知ってしまった18歳の夕子の苦しさは、何度恋をしても、大人になっても、そういう気持ちは乗り越えられそうにないなと痛切に思えるし。

    決して人を裏切ってはいけない立場にありながら、夕子の行動はあまりにも軽率で、自覚がなくて、その展開は自業自得だけど、でもあまりにも救いがなさすぎて…ラストは、もう少し「夢を見させて」もらいたかったかも(現実的すぎて、悲しい。ううっ)。

    もし「えなりくん」がそんなことしてたら、やっぱり一瞬ひいてしまうかも…と、「渡鬼」をずっと見続けて、成長を見守ってきた身としては思うかな。
    まあ、その場合は良い意味で「裏切られた」と笑ってしまえそうだけど。
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