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    『夏のしっぽ』前川麻子

    夏のしっぽ
    夏のしっぽ
    前川 麻子 2007/1/31発行 講談社 P.264 ¥1,680
    ★★★★★
    父を気がかりにして結婚できないわけではない。結婚に結びつくような恋愛ができない自分のせいだ。結婚に結びつかないのであれば、もう恋愛なんて面倒なことをわざわざしなくてもいい、と思う。本心では、諦めでも開き直りでもなく、身の丈だとも思っている。
    〜『夏のしっぽ』より〜

    家を出て行ってしまった母親に代わり、まるで夫婦のように年老いた父親との暮らしを続ける43歳、いかず後家の初子。
    父親に届いた結婚式の招待状の差出人も知らず、出かける仕度を終えた初子に父が告げた言葉は…『夏のしっぽ』

    夫に請われるままに、しぶしぶ夫婦交換に応じることにした、結婚して32年の妻、治美。それぞれの夫婦二組で、まずは温泉旅行へ行くことになり…『下田のモーツァルト』

    インターネットで知り合った真面目なだけがとりえの冴えない男と「できちゃった婚」をした娘に嫌悪する母親と、初めて夫婦で迎える正月に、出かける場所もなく、ただ家にいては体裁が悪いからという理由で、一人暮らしの母親の住む狭いマンションに転がり込む娘と、その婿…『三が日』

    作家として成功を収め、今はもう実家もない故郷へ20年ぶりに足を踏み入れて、幼馴染達から歓迎を受ける瑛一。
    当時は女に不自由しなかった瑛一が、すれちがったまま忘れられない同級生との再会を果たし、プロポーズするのだが…『故郷の女』

    他、『宴の夜』、『千代に踏まれて』、『金の朝』、『つるかめ』の8編から成る短編集。

    「情が薄く、無責任な男に惚れた。
    そういう男ばかりが、私を誘う。
    家を飛び出した母から届いた、結婚式の招待状。新郎はかつての自分の恋人だった。そのいびつな関係が、初子を疼かせる――。独自の世界を切り拓く恋愛小説集」だ、そうな。


    なんと官能的な性描写が上手なんだろう…と思ったら、なるほど、女優さんだったのか…と(しかも同い年だし、酸いも甘いも知り尽くして…こういうの描けるのかな)。

    最初の方は読むの止めようかなと思うほど、何か救いのない話だったけど、後半の『三が日』あたりから、少しずつ面白くなってきたかな。

    『三が日』は、この後がものすごく気になるし、母と娘それぞれの、いびつな心の中がすごく面白い。

    『千代に踏まれて』も、男ってこんな風に押し切れば案外押し切られるものなのかもなと…ラストもいい。

    『金の朝』の、離婚を考えるセックスレスの夫婦が、そうなってしまう過程もいいし、この描写はほんとにリアルで、ちょっと幸せそうで、勉強になったかも(まあ、今後の参考のために…)。

    何より夫の妹が離婚を決意した後に、やっぱり出来なくて、「別れようと思ってから、毎晩思い出して、中谷の身体が恋しくて、泣きたくなるんだから。一人で寝るのが、苦しくて堪らない…」という台詞は、結構身につまされる。

    『つるかめ』の、定年を控えた男が、仕事の途中でちょっとした知り合いになった若い女性に抱く気持ちの変化が、幾つになっても「男だなぁ」と思えて面白いし(自分に自信がなくて、不安になると、急に相手を悪く言ったりするとこなんて、本当にそのまんまだなぁと)。

    なかなか大人の女性にはお薦めの一冊かも。

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