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    『そして俺は途方に暮れる』渡辺やよい

    そして俺は途方に暮れる
    そして俺は途方に暮れる
    渡辺 やよい 2004/2/25発行 双葉社 P.205 ¥1,260
    ★★★★
    でも飽きてくるんだよ。女たちは、身体だけの関係と割り切りましょう、なんて言ってても、結局、愛してくれだの、心がこもってないだのと、俺を責めるようになる。なぜだろう……うんざりする。だから、女を渡り歩くしかない。どういう女でも最後のせりふは同じだ。
    「こんなにあなたが好きなのに」
    〜『そして俺は途方に暮れる 靖之の場合』より〜

    16歳の頃から、女を食い物にして生きてきた俺、「年上大好きジャニ系21歳」の靖之。
    前の女にあっさりと捨てられ、路頭に迷いそうになった「俺」は切羽詰まったあまり、信じられないくらいデブの中年女、絵里子を引っかけ、そのまま部屋に転がり込むことにした…『そして俺は途方に暮れる 靖之の場合』

    靖之に必要なものは、「わたしの差し出す貢物と暖かい部屋と暖かい食べ物と、いたぶるためだけのわたしのぶよぶよの肉体」、最悪な性格、と分かっていても、自分がみじめでぽろぽろと泣けてしまっても、靖之の「それ」が絵里子には何より必要で…『そして俺は途方に暮れる 絵里子の場合』

    コンビニでバイトする20歳の大学生の僕、大樹。
    酔っ払って店にやってきた、アマゾンの臭いをふりまく年増のピンサロ嬢、シズエを介抱することになった僕は、シズエからの余計な「お礼」に本能が目覚め、可愛い彼女さえもどうでもよくなってしまい…『どうなっちゃってんだろう』

    かけ出しの漫画家と、そのアシスタントであり、恋人でもある同棲中の「まーくん」と久美子。
    漫画家になる夢を抱いて上京した久美子の漫画は、一度だけ掲載されたものの…。
    その後仕事も無く、アシスタントを転々としていた久美子を救ってくれたのは、同じアシスタントとして働いていた「まーくん」。
    大好きな「まーくん」の出世のために久美子は、以前関係のあった編集者のいる出版社へ乗り込んで行くのだが…『じゅげむじゅげむ』

    出会い系で会った男から思わぬ屈辱を受けてしまった「人妻、28歳、夫が単身赴任中で寂しい毎日です。メル友募集中マリ」の子持ちの人妻、実は32歳の宣子。
    子供の幼稚園への送り帰りの道で、宣子の目に飛び込んできたのは、自立した身障者のためのボランティアを募る張り紙。
    その日から毎日、車椅子の青年の世話をしに、マンションにに通う宣子のもとに、無言電話がかかってくるようになり…『指でもいいから』
    の、すごくHで、ちょっと切ない5編のラブストーリー。

    『絵里子、37歳、独身  21歳の俺にとって、最愛の人?
    過激な性描写を通して描く、心と肉体の不均衡
    「レディコミの女王」による“官能&倒錯”の新境地
    第2回 女による女のためのR−18文学賞 読者賞受賞』だ、そうで。


    奥田英朗さんの『ララピポ』の、女性作家版のような痛快さ。
    レディコミを読んだことないから分からないけど、多分レディコミよりはえっちくないような…。

    官能的というよりも、えっちの場面の描写が、あまりにもそのままで、あっけらかんとしてて、ただただ面白く読んでしまった(もしかして、純愛?)。

    えっちの描写もさることながら、物語全体に、すごく男女関係の正直な本音の部分が描かれていて(少なくとも私にとっては、そうだなと)、共感できてしまったし、主人公たちの抱える心の傷がかなり痛くて、現実にこんな話は、きっとどこにでも転がってるんだろうなぁと思うと哀しくなる。

    なので、自分を解放できる場所があるって、例えそれがどんな形であったとしても、それは幸せなことだなと思えるし、羨ましくもある(まあ、ただ単に私がすけべなだけかもしれないけど…)。

    一番好きな話、『どうなっちゃってんだろう』の、たとえどんなに可愛くても、焼肉食べに行こうと誘って、ブランド物の服につく匂いを気にするような子との「前提」のような付き合いはつまんないし、それよりも豪快に肉を貪る人と一緒にいたいなと…それでいいのだと(バカボンのパパなりに思ってしまう)。

    「僕の人生めちゃくちゃですよ」とぶつぶつ言いながらも、「いいのか、僕。これで、いいのか?」「いいんです。」と答えを出した「僕」の身体の正直さに拍手喝采というか、まあ、こんなことがあってもいいんじゃないと。

    ここに出てくるシズエさんの生き方はとても好きだし、同世代の私に、束の間の夢と希望を与えてくれたけど、ここまで年下の美青年にチャレンジする無謀さは、今の私にはもうないかなと。
    これは大人の女性のための夢のようなお話かな。


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