スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『リセット』垣谷美雨

    リセット
    リセット
    垣谷 美雨 2008/2/20発行 双葉社 P.350 ¥1,680
    ★★★★
     いつ頃からだったろうか。人生をやり直せたら――そういう思いが強烈にこみ上げてきたのは。
     そう、確かあれは四十歳の誕生日を迎えた日のことだ。
     ――もう四十歳?
     ――もう人生の折り返し地点なの?
     そう思って、愕然としたのだ。
     なんという早さで月日は流れてしまったのだろう。これほどまでに人生が短いとは思わなかった。こんなことなら挑戦すればよかった。あのとき……。

    「もしも人生をやり直せれば、絶対に専業主婦なんかにならない」と強く決心し、47歳になった今も、高校生の頃に思い描いていた「女優になる」という夢を捨てきれずにいる平凡な専業主婦、知子。

    高校生の頃から容姿にコンプレックスを抱き、ひたすら勉学に励んできたお陰で今では会社の副部長にまで登りつめたものの、ごく普通の結婚をし、子供を持つ妹とことあるごとに比較され、母親からいつまでたっても認められないことに寂しさを感じる薫。

    不良グループにいた高校時代、ナンパされた男の子供を身ごもり、結婚するつもりで高校を中退したものの、あっけなく男に捨てられてしまい、まともな仕事にも就けないまま、故郷に帰ることも出来ず、昼夜働きづめに働くことで六畳一間の東京での生活をかろうじて維持する晴美。

    それぞれに人生をやり直したいという思いを強く抱きながら生きてきた、特別仲良しでもなかった同級生三人が、立ち寄ったデパートの地元の物産展で偶然に再会したことから、三人揃って30年前の、高校生から人生をやり直せることに。

    そして望みどおり人生をやり直し、それぞれが思い描いていた別の人生を歩み始めたものの……。

    「ぼんやりとした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人が、突然、高校時代にタイムスリップ。“未来の思い出”がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そしていま、再び新しい人生へ!人生は変えられることを、彼女たちは教えてくれた。「第27回小説推理」新人賞受賞の注目の大型新人待望の書き下ろし!」だ、そうで。


    一見、何不自由ない幸せそうな専業主婦、成功したキャリアウーマン、そしてまるで「嫌われ松子」のような、不遇な女性の、全くタイプの違う三人が、三人とも人生をやり直して、今度こそはと望みのままにやり直した人生もまた…というのが、きっと本当に人生ってこういうもんなんだろうなぁと痛感させられてしまったかも。

    高校生に戻ったときに(実際は47歳の気持ちのままの)彼女達それぞれが感じた、自分よりも若かりし頃の母親に対する思いが、すごくリアリティがあって面白いなと。

    実際問題として高校生の頃に、もっと「こうなりたい」という夢が明確にあったとしたら、それを叶えることができたんじゃないかなと最近思えるし、だとしても、それが今より幸せとは限らないというか。

    幸せな結婚を望んでいたのが、それを手に入れて、でも今度またやり直せたら二度と結婚したくないというのも、なんとなくわかるかな。

    なので、彼女たちの最後の選択には結構勇気付けられるし、やっぱり今の人生を頑張らないとなと、そして、人生はこれからでも、自分次第で如何様にも変えられるのかもなと思えてしまった。

    彼女たちのように「リセット」という幸運(?)な機会は、多分私には訪れないだろうから、これが一度こっきりの自分の人生と肝に銘じて、悔いのない生き方ができればいいかなと、なんだかものすごく前向きになれてしまった一冊。

    でも、もしも、こんな風に今の記憶を持ったまま、好きな時代に戻ってやり直せるとしたら…公務員になりたいとしか思えない、夢のない自分がものすごく悲しかったりするかも。

    JUGEMテーマ:読書
    0

      『竜巻ガール』垣谷美雨

      竜巻ガール
      竜巻ガール
      垣谷 美雨 2006年 双葉社 P.223
      ★★★★★
      「兄妹ということはやな、恋人同士にはなられへんってことや」
      ……
      みんなは笑ったが、僕は笑えなかった。
      どう考えても納得できない。兄妹といっても血がつながっているわけじゃない。香山やそのほかの級友たちが涼子の恋人になれる可能性があるのに、僕にはその資格がないなんて。     〜『竜巻ガール』より〜

      父親が二度目の再婚をし、若い母親とともに「僕」の家にやってきたのは、田舎には珍しいガングロの女子高生。
      「僕」と同い年の妹。
      ガングロの化粧を取ると、実はものすごい美少女の涼子が、ある夜、雷が怖いと「僕」の布団に潜り込んできて…『竜巻ガール』

      これを飲めばたちまち若返るという「インチキな水」を販売し、被害者たちに追われることになった、俳優志望だった男前の父親と、母親似のぱっとしない25歳で無職の「俺」。
      警察に捜索願を出し、父親を行方不明にでっちあげ、被害者達からのクレームの嵐から何とか逃れようとする「俺」の前に突然現れたのは、父親探しに協力を申し出る妙齢の美女。
      やがて彼女との結婚を考え、真面目に働くようになった「俺」の留守中に彼女がやって来て、父親が家にいることがバレてしまい…『旋風マザー』

      不倫旅行中に川で溺れた、上司でもあった愛人を見捨てて、旅館から逃げ帰った「私」。
      通夜にも葬式にも参列せず、何食わぬ顔で働く「私」の職場に現れたのは、「私」よりも若くて綺麗な、不倫相手だった男の二人目の妻。
      てっきり不倫だと信じて関係を持った男が、その頃には前妻を亡くし、独身だったということを知った「私」は…『渦潮ウーマン』

      夫の入院中に、夫の職場のロッカーの中の荷物を引き上げることになった、15歳年上の妻の「私」。
      ロッカーに仕舞ってあった荷物の中に、夫の故郷である中国から送られてきた手紙の束を見つけ、その中に綴られる夫の見知らぬ顔を見てしまった「私」は、騙されていたことに気付き、夫がいつ「私」の元から去ってもいいように覚悟を決めるのだが…『霧中ワイフ』の、4編から成る短編集。

      「突然できた僕の妹は、同い年のガングロ娘だった!その日から、カゲキでコケティッシュな彼女に振り回される生活が始まった。女性の脆さと強かさを描いた初の短編集。第27回小説推理新人賞受賞作。」だ、そうで。


      4つの短篇、どれもこれも予想外の展開で、全く最近読んだことないタイプの本かも(もしくは、懐かしい?)。

      表題作の『竜巻ガール』の展開は、20年くらい前に見た美少女アニメ「くりいむレモン」かと思ってしまった(1作目しか見てないけど、当時としてはかなり過激だったような…そんなの見てた私もどうかと思うけど、まあ若気の至りというやつで…)。

      なので、これはちょっと読む本を間違ってしまったのかな…と思ったけど、まあ、多少いびつなだけの青春物語だったのかなと納得。

      妹の涼子が「僕」に求めていたものも何となくわかるし。

      そこにきて「僕のことを好きか」と、単純なことを訊けないでいる「僕」の気持ちは、結構切ない。

      『旋風マザー』と『渦潮ウーマン』は「そ、そんなアホな」な展開で…。

      最後の『霧中ワイフ』は、40歳の女性の微妙な気持ちがすごく良く伝わってきて、ちょっといい話だったかな(私なら、こんな夫には三行半つきつけて追い出してしまうけど…)。

      4作とも「疑心暗鬼」という言葉がしっくりくるのかも。
      そして男の人の知らない、女の「したたかさ」が実に良く描かれてるなぁと感心してしまった(やりすぎって感じがしないでもないけど)。
      0

        1

        calendar

        S M T W T F S
              1
        2345678
        9101112131415
        16171819202122
        23242526272829
        3031     
        << July 2017 >>

        読書メーター

        uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

        新刊チェック

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          uririn
        • 『痺れる』沼田まほかる
          uririn
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          uririn
        • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
          いちれん
        • 『痺れる』沼田まほかる
          くり
        • 『絶望ノート』歌野晶午
          智広
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          uririn
        • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
          苗坊
        • 『永遠の0』百田尚樹
          uririn
        • 『永遠の0』百田尚樹
          苗坊

        recent trackback

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        悪人
        悪人 (JUGEMレビュー »)
        吉田 修一
        読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

        recommend

        しずく
        しずく (JUGEMレビュー »)
        西 加奈子
        サイン本買っちゃった。

        recommend

        recommend

        たぶん最後の御挨拶
        たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        猫なんです…。

        recommend

        recommend

        recommend

        ねこの肉球 完全版
        ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
        荒川 千尋,板東 寛司
        たまらん。

        recommend

        ニャ夢ウェイ
        ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
        松尾 スズキ, 河井 克夫
        たまらん…

        recommend

        recommend

        僕たちの戦争
        僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
        荻原 浩
        とにかくお薦め。

        recommend

        出口のない海
        出口のない海 (JUGEMレビュー »)
        横山 秀夫
        たくさんの人に読んでほしい…

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR