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    『DIVE!!』森絵都

    DIVE!!〈上〉DIVE!!〈下〉

    DIVE!!〈上〉DIVE!!〈下〉
    森 絵都 2006年 角川文庫 (上巻)P.360 (下巻)P.373
    ★★★★★
    「だってさ、メダルとれたとしてもとれなかったとしても、それって本当はぼくたちの問題のはずじゃない。死ぬほど練習してきたのはぼくたちとコーチで、オリンピックにでるのもぼくたちで、だからぼくたちが喜んだり、がっかりすればいいだけじゃない。けど、ちがうんだよね、結局、オリンピックの真ん中にいるのは顔も見たことないような大人たちなんだって、そう思ったら急にいろんなことがつまんなくなっちゃって……」
    ……
    でも、メダルって一体なんだ?
    オリンピックってなんだ?
    スポーツってなんなんだ?

    大手スポーツメーカー『ミズキ』直営の、26人の小学生と7人の中学生、そして1人の高校生ダイバーを抱える「ミズキダイビングクラブ(MDC)」。

    元飛び込み選手であったミズキ会長が、つねに華やかな競泳の陰に隠れ、低迷にあえぐ日本の飛込み界の発展の為に創設したものの、ダイビング人口の少なさから常に赤字経営続きのMDCは、会長の死後、存続の危機にさらされることに。

    MDCを閉鎖しようとする『ミズキ』の役員達と交渉し、条件付でのクラブの存続を約束させたのは、アメリカ帰りの新任コーチ、麻木。

    クラブ存続の条件は、来年のシドニー五輪にMDCから日本代表選手を送り出すこと…。

    一年後の代表選考会に向けて、麻木がクラブで最初に目をつけたのは、飛込みをはじめて五年、今はまだ未熟な演技しかできないものの、素質だけは天下一品の無限の可能性を秘める、中学生の知季。

    知季のライバルとして、ともにオリンピック出場を賭けて闘うのは、麻木と交わした契約によって、はるばる津軽から上京してきた、偉大な祖父の血を受け継ぐ、高校二年生「幻の高校生ダイバー」飛沫。

    そして、元オリンピック選手だったMDCの冨士谷コーチを父に、元飛込み界のマドンナ的選手を母に持つ、飛込み界のサラブレッド、三年連続中学生チャンピオンの実績を誇る、MDCのエース、高校一年生の要一。

    三人が大人たちの思惑とは別に、それぞれの思いを抱えてダイブする「高飛込み」――。
    高さ十メートルからの飛翔。
    時速六十キロの急降下。
    わずか一・四秒の空中演技。

    そして、オリンピック出場への近道として、まずは八月のアジア合同強化合宿に参加するための選考会へ向け、難度の高い技をマスターするため飛込み以外の全てを捨て、懸命に練習に打ち込んでいたはずの知季が、大事な選考会の前日に無断で練習を休むという事態に陥り、心配した麻木が知季の元へ駆けつけると……。

    『日本ではまだマイナースポーツの水泳競技「飛込み」。学園生活を送りながらダイビングクラブに通い、オリンピックをめざしはじめた少年ダイバーたちをドラマチックに描く!森絵都、初の「スポ根」小説。』だ、そうで。


    読みたい読みたいと思いつつ、このページ数の上下二巻は面倒くさいなと…放置していたのが悔やまれるほど、めちゃくちゃに面白い!

    3部までの、知季、飛沫、要一、それぞれの「飛込み」に賭ける思いと、4部での彼らや飛込みに関わる全ての人たちの思いが、実に良く丁寧に描かれてて、登場人物の一人一人が大切に扱われているので、読んでいてすごく気持ち良かった。

    みんなオリンピックに行かせて下さい…と、心からお願いしたくなるほど、みんなそれぞれに個性的で、甲乙つけがたいほど魅力的で、飛んでるところをこの目で実際に見てみたくなる。

    一番のお気に入りは、でもやっぱり要一かな…(美少年好きなので)。
    要一が自ら雪を降らせて雪だるまを作ろうとする、その行動には拍手喝采したくなるし、それにみんなが追随して、ライバルのピンキー山田(改めキャメル山田)までもが、そんな泣かせる台詞を…と、胸が熱くなってしまった。

    しかも、過去に要一が後輩にしたことも。
    王子様なのに…せこすぎて爆笑。

    神戸でのひとときの息抜きの夜の、彼らのシドニーを視野に入れた「コアラ」論議での知季の台詞「でも…コアラってよく見ると、目つき悪いよね」は、かなりツボだし。

    「飛込み」と言えば、日本人選手はオリンピックで何度か目にした「寺内健」の名前しか知らないけど、見ていてすごく「羨ましい」と思えるスポーツの一つかも。
    あの高さから飛び込んで、水を切るように静かに入水する姿は感動するほど美しいし、高所恐怖症の私には死んでも出来ないスポーツだし。

    なので、そんなに競技人口が少ないとは…残念。
    「ウォーターボーイズ」が、ブームになって、テレビで選手権みたいなのもやってたぐらいだから、これ、ドラマ化されたら競技人口増えるんじゃないのかなと思えてしまった。

    是非、何年後かのオリンピックの桧舞台で、日本人の飛込み選手が何人も活躍する姿を見たくなるような、明るい未来を感じさせてくれるような一冊だったかな(二冊だけど)。

    三人のその後の話も是非読みたいし(ピンキーもレイジも陵も弘也も、もちろんだけど、文さんのことも気になるし…)。

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