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    『累犯障害者−獄の中の不条理−』山本譲司

    • 著:山本 譲司
    • 出版社:新潮社
    • 定価:1470円(税込み)
    累犯障害者
    livedoor BOOKSで購入
    書評データ
    ★★★★
    「山本さん、俺たち障害者はね、生まれたときから罰を受けているようなもんなんだよ。だから罰を受ける場所は、どこだっていいんだ。どうせ帰る場所もないし……。また刑務所の中で過ごしたっていいや」

    議員時代、政策秘書給与の流用事件で実刑判決を受け服役していた著者が、433日間に及ぶ獄中生活の懲役作業で関わることになったのは、福祉のネットワークから零れ落ち、司法という網に引っかかることによって、ようやく生き長らえてきた「触法障害者」と呼ばれる、罪を犯した障害者たち。

    「これまで生きてきたなかで、ここが一番暮らしやすかった…」とつぶやき、服役後の再犯をほのめかすかのような受刑者の言葉に衝撃を受けたという著者は、国会の中では見えなかった「福祉の現状」を、刑務所の中で目の当たりにすることになり、出所後、彼らのように受刑者に成り果ててしまった障害者たちに焦点をあて、それぞれの事件の現場を訪ね歩く…。

    序 章 安住の地は刑務所だった――下関駅放火事件
    第一章 レッサーパンダ帽の男――浅草・女子短大生刺殺事件
    第二章 障害者を食い物にする人々――宇都宮・誤認逮捕事件
    第三章 生きがいはセックス――売春する知的障害女性たち
    第四章 閉鎖社会の犯罪――浜松・ろうあ者不倫殺人事件
    第五章 ろうあ者暴力団――「仲間」を狙いうちする障害者たち
    終 章 行き着く先はどこに――福祉・刑務所・裁判所の問題点

    そして「あとがき」へと続く、犯罪者となってしまった障害者たちを取り巻く環境や、事件に至った経緯など、驚くべき事実をあぶり出す事で「現代の日本の福祉の実態」、ひいては「日本の闇の部分」に鋭くメスを入れる、衝撃のノンフィクション。

    「罪を犯さねば、生きられない――。
    マスコミが絶対に報じない驚愕の現実。現代日本の「究極の不条理」を描く問題作。」だ、そうです。


    確かに、どれも一度は聞いたような事件ばかりだけど、その後のことは全く知らないような。
    判決が出るまでは、そういうもんなんだと思ってたから、敢えて障害者の起こした事件について、マスコミがタブー視していたとは…知らなかった。

    「日本のマスコミは、努力する障害者については、美談として頻繁に取り上げる。……だが一方で、健常者と同じように、問題行動を起こす障害者もいる。」というのも、言われてみて初めて気がついたと言うか、私の頭の中では、「障害者=罪を犯さない人たち」みたいなイメージが勝手に出来上がっていたのは、そういうことだったのかな。

    そのイメージの方が、もしかしたら差別してることになるのかなと、思わなくもない(健常者に罪を犯す人と、被害者になる人がいるのと同じように、障害者にも、それは同じようにあって当然なんだと…そもそも、なんかこの「健常者」とか「障害者」という言葉自体、しっくり来ないと言うか、変な言葉だなと思うんだけど)。

    裁判になっても、自分を守る言葉が相手に上手く伝えられなくて(知的障害者のケースや、手話の通訳を介さなければならないような、ろうあ者のケースなど)、心証を悪くしてしまうというのは、国として、どうにかならないもんなのかと、気の毒に思えてしまう…。

    「刑務所は、行き場を失った障害者たちを保護する施設」…と言うのは、障害者のみならず、高齢者にとっても同じことが言えるような(最近テレビで、そういうお年寄りを取り上げていた番組を見た記憶が…)。

    福祉のネットワークからもれてしまい、生活に苦しむ障害者たちがいる一方で、福祉の枠の中で、恋愛さえも取り上げられ、「いまのあたしって本当に人間なの?」と呟く女性がいるというのも、考えさせられる話で…。

    「クレーム覚悟でこの本を書いた」という、元国会議員の著者の、福祉に対する意気込みと言うか、憤りみたいなのがすごく伝わってきて、これからの活動も頑張って欲しいなと思うけど、じゃあ私に何が出来るのかと言うと、こういった本を読むことで「福祉の実態を知った気になる」ことぐらいしかないのが、申し訳ないような気がしてしまった。
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