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    『蝶か蛾か』大道珠貴

    蝶か蛾か
    蝶か蛾か
    大道 珠貴 2006年 文藝春秋 P.285
    ★★★★
     繰り返し、っていうのが、だめ。頭がおかしくなりそう。いつまでもつづく感じは、怖い。いつかは終わってしまうとわかっていながらつづけるのも、おんなじくらい、怖い。

    二人の子ども達を無事に育て上げ、中学校で「給食のおばさん」をしながら、田舎での一人暮らしを満喫し、風の吹くまま気の向くまま、したい放題自由に生きる猿飛満々子、47歳。

    「病院にかかるまでではないんだけど、頭がどっかおかしい」と、近所の人たちからは噂され、自分でも、産後の肥立ちが悪かったせいで、おかしくなってしまったという満々子。

    春になると、おしりがむずむずし、梅雨が来れば気分も落ち着く…という満々子の送る一年間はと言うと…癌に罹った友だちを足繁く見舞い…『チョウチョがまとわりつく季節になるといよいよ』

    職場で中学生相手に本気でケンカし…『梅雨だわよ』

    ムスメに雇われ、探偵の真似事をし…『やっぱし夏は出会いのシーズンだわよ』

    夏に知り合った年下のボーイフレンドが家にやって来て…『とうとう秋がはじまっちゃったわよ』

    商店街の「キッチンえっちゃん」でバリバリ働き…『クリスマスも正月も、それどころじゃなくって』

    恋をしようと、同窓会を企画し…『また、ばかになるにはうってつけの春』

    そして『だれにも黙って旅に出ました』で終わる、連作短編集(?)。

    「どこへ行くのか、猿飛満々子。まずはキャベツ畑でオシッコ…。無重力なこころの放浪記。」だ、そうで。


    まるで「一週間」という歌のようなお話。
    変わった文体だなー、というのが第一印象で、最初の5ページぐらいで読むの止めようかな、と思ってしまった。

    散文的と言うのか、何と言うのか…、ほんとうに、満々子さんが頭の中で、ぱっぱと考えたことをそのまんま書いてあるというか、わけ分からんというか。

    で、多少いい加減に読み続けていくと、満々子さんや満々子さんの母親、「オババ」の強烈なキャラに慣れてきたのか、今度はやたらと面白くなってきてしまって、止まらなくなってしまった。

    満々子さんは最強かも。
    二時間もののサスペンスにでも出てきそうな、どろどろした話も、この文体と満々子さんのキャラで、さらりと読めるし、まるで川上さんの「センセイの鞄」のような、先生との話も、満々子さんらしくて…。

    何より、満々子さんの二人の子どもたちがまっとうに(多少変わってるけど…)育ってて、良かったなと。

    70歳をとうに超えてる「オババ」の、ファッションセンスと、そのたて巻ロールには憧れてしまうし、いくつになっても女を捨ててないところに妙に感動してしまった。

    満々子さんの「遺書」に書いてある言葉も印象的。
    死ぬ日を楽しみにして生きるというのは、案外発想の転換としてはいいのかも、と思えてしまった。

    満々子さんの苗字の「猿飛」と言えば、「佐助」か「エッちゃん」を思い浮かべてしまって、「さるとびエッちゃん」の主題歌が頭から離れなくなってしまった…。
    「ヘンだな、ヘンだな、エッちゃん♪」の歌詞は、満々子さんにも通じるのかも。

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