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    『はずれ姫』長谷川純子

    はずれ姫
    はずれ姫
    長谷川 純子 2006年 新潮社 P.194
    ★★★★★
    (どうして俺は何をしても、うまくいかないんだ)
    本当は、誰でもいいから憤懣をぶつけて、痛めつけてやりたかった。上手い事生きてる世間の奴なら誰でもいい。これまで散々、見知らぬ奴から浴びせられ続けて、体内に入り込んだ醜い泥が暴れだした。
    (大人しい、弱い人間ばかり、いじめられるんだ)
    今まで感じた事のない、醜い憎しみが生まれ、俺は苦しんだ。しかし、どうにも出来ない辛い事や、理不尽な思いで煮えたぎっても、結局、大人しく俯いてやり過ごすのに慣れていた。〜『サリーの恵み』より〜

    「自分の名なんか忘れちゃったわ」というマキが、水商売を転々とし、最後に勤めたスナックを訳ありで辞め、逃げるように辿り着いたのは、住み込みの従業員募集の求人広告の貼り付けられた中華料理店「ぱんだ餃子」。
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    大学を卒業してからひきこもり生活を送っていた三十過ぎの童貞の男は、ある日家から追い払われ、初めて風俗の店へ足を踏み入れた。
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    荒れ放題の田畑を耕す男の脳裏をよぎるのは、入院中に出会った女<昇天サリー>のことばかり…『サリーの恵み』

    「わたし、いつだって、はずれを引くのは得意だもん。
    全身から発散される<大切にされないオーラ>がいけないのか。流されやすくて無防備なタチがいけないのか、愛も恋も知らない夜をくり返し、今まで男に大切にされたためしはない。
    彼女の恋はいつもひどく悲しい目にあって、最後には心とか金とか信頼とか、色んなモノを失って終わる――。
    はずれくじ人生を歩む女と行き場のない男の、哀しく切ない恋5つ。」ううっ、痛い。


    <大切にされないオーラ>という言葉に敏感に反応してしまった(私も発してそうで…)。
    哀しいというよりも、恐ろしい…かも。

    結構身につまされる話が多くて…「はずれ姫」とはうまく言ったもので(まあ、もう「姫」でもないけど)。

    『ナッちゃんの豆腐』は、哀しすぎるし、何だか「マッチ売りの少女」を思い浮かべてしまった。

    中年の女の人が主人公の話ばかりなのかと思ってたら、意外と「いかにももてない男」の話も出てきたりなんかして、それがすごく面白い。
    『間宮兄弟』の悪い人版?と一瞬思ったけど…。

    コンビニデブって…「饅頭の皮みたいなぶ厚い肉に輪郭が埋もれた俺の顔」って…、想像しやすいなぁ。

    落ち込んでる時に読むと、どよーんとなってしまいそうな話が多かった…。
    しばらくは餃子を食べたくなってしまったというか…。
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