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    『浮世でランチ』山崎ナオコーラ

    浮世でランチ
    浮世でランチ
    山崎 ナオコーラ 2006年 河出書房新社 P.192
    ★★★★
    自分の成長は、自分しか期待していないことだ。どう成長したらこの世界を生き抜くことができるか、自分で考えなくては。

    子供の頃から、周囲の人と同じ物を見ていても、自分と同じように感じているのかどうかが確かめられなくて、自分の感じていることを、人にうまく伝えることができなかった「私」は、25歳になった今も、楽しそうに連れ立ってランチタイムを過ごす職場の同僚たちを尻目に、コンビニで買ったお弁当を公園で一人、野良猫を話し相手に食べる日々を送っていた。

    今の職場で働いて3年、その間ずっとそうして一人でランチタイムを過ごしてきた「私」は、退職して東南アジアへ行くことを決め、職場を去る前に、以前から「いつか一緒に…」と誘ってくれていた同僚の「ミカミさん」を誘い、一緒にランチタイムを過ごし、全てをゼロにして、タイへと向かう飛行機に乗り込んだ。

    そして行く先々で「言葉の通じなさ」を痛感する「私」が、「ミカミさん」と絵葉書とメールでやりとりをしながら最後に辿り着いたのは…。

    「明日の私は、誰とごはんを食べるの?
    人が人と関わる意味って何?
    25歳の私が“世界”に触れる、一瞬の奇跡
    『人のセックスを笑うな』の著者が贈る文藝賞受賞第一作」だ、そう。


    つい先日読んだ小川さんの『イヴの夜』の紹介文に「コミュニケーション不全の若者」とか、何とか書いてあったけど、この主人公もかなり閉じてる。

    「『上手く喋れないけれど、わかって欲しいの』としか考えていない人の言葉に、耳を傾けたいと思う人はいません。」という「ミカミさん」のメールの言葉はその通りで、でもそんなにはっきり言ってくれる人は、なかなかいなさそうで。
    それだけでも、「ミカミさん」がすごく良い人に思えてしまった(メールの端々に優しさが滲み出てる)。

    中学生の頃の「私」の友人関係と、現在の「私」の旅先での様子が交互に語られていて、彼女が最終的に、ミャンマーに向かう理由が明かされるけど、その中学時代の話が、自分と重なる部分が結構あって、懐かしさと、恥ずかしさがこみあげてくる。

    そういう風に私も友達を選んでいたなぁ、と。
    「…の強いところが好きだから、弱いところを受け止めてあげようとする気が起きないんだよ」という「私」の同級生の台詞が胸につきささる。
    私も人に弱さを見せられると、すぐに嫌になって逃げてしまってたので…(思い出しただけでも、その思いやりのなさにぞっとするけど)。

    中学時代の友人の一人、女言葉を話す「犬井君」(山咲とおるちゃんみたいな人)に本当のことを聞かされたときの「私」は、かなりショックだっただろうなぁ。
    他人からそんな目で見られていたら、私ならかなりへこむと思う。
    ただ「犬井君」の優しさは、それだけではなかったはずだと思うけど…。

    自分達で作ったルールに縛られるのが嫌になってしまった「私」に、仲間の一人が言った台詞「自分の世界は、自分だけが作っているわけじゃないんでしょ? むしろ周りの人たちが、私の世界を作ってくれていて、そこに私がいるような気がするんだけど…」というのは、私は大人になってから分かったことかも。

    自分の過去や、名前や、好きなものや、そういうことをちゃんと知ってくれている人がいなければ、私なんて、ただの道端の石ころみたいな存在になってしまうものなのだなと痛感しているので…(うまく言えないけど)。

    人と関わる意味…、この本に書いてある答えに、すごくうなづけてしまった。
    意味なんて考えなくても、そうしたければそうすればいいだけ、と思わなくもないけど。それができないのが、今の世の中なのか…。

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