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    『マスカレードホテル』東野圭吾

    評価:
    東野 圭吾
    集英社
    ¥ 1,680
    (2011-09-09)
    Amazonランキング: 1908位

    都内で次々に起こった関連性のない3件の殺人事件。
    現場に残されたメモの暗号から、一連の事件は同一犯による連続殺人事件として捜査され、紐解かれた暗号から、次回の殺害現場が都内の超一流ホテル「コルテシア東京」であると判明。
    潜入捜査のため、ホテルマンになりすまし「コルテシア東京」のフロントに立つのは、警視庁の若きホープ、ホテルマンの制服が一番似合うであろうことから抜擢された新田刑事。
    俄仕込みでも、実際にホテルマンとしての業務をこなし、様々な客の対応に追われ、日に日にホテルマンとしての立ち居振る舞いが板についていく新田の、捜査に直接関われない苛立ちをよそに、捜査は着々と進められ……。

    待望の新ヒーロー誕生! 極上の長編ミステリ
    都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。
    彼の仕事は、相手の仮面をはがすこと。彼女の仕事は、お客様の仮面を守ること。
    様々な仮面をかぶった人間がやって来る――。
    東野圭吾作家生活25周年特別刊行、堂々完結!

    内容をざっと見て、東野さんの名前がなければ、多分読む気にもならなかったと思う。
    読んだ感想も、普通。

    殺人事件の捜査というよりも、昔高島家の弟がやってたドラマ「ホテル」のような様相を呈しているというか、「姉さん事件です」ばりの小さな客とのトラブルなんかがちょこちょこあったりして、あれ、メインの殺人事件はどうなってるの?という感じで、一見群像劇のようにお客様メインのお話が続く。
    「ホテル」は好きなドラマだったので、その話自体はまあ面白かったし、ホテルマンとして成長していく新田もなかなか好感が持てたけど、やっぱり普通。
    ホテルで起こったちょこちょこした事件の中に、本来の事件解決に繋がるヒントがあったりして、ひらめきのままに、新田刑事が影で大活躍。
    この新田刑事が、湯川先生、加賀刑事、に続く「第三の男」とどっかに書いてあったけど、ということは…シリーズ化?そしてドラマ化?

    新田刑事やホテルのフロントの女性より、所轄の能勢刑事が一番印象深かったような。
    頭の中では勝手に能勢刑事は中村梅雀さんに変換されてたし。

    で、結局、煌びやかな超高級ホテルの舞台裏の物語が描きたかっただけなのねというか、何だかどっちつかずの中途半端な感じがしてしまった。

    『白夜行』や『悪意』や『手紙』や『天空の蜂』みたいな、読み終わってからも余韻をひきずるような、やっぱり東野さんでなければ…と思えるような、そんな作品をもう一度読みたいと、懲りずに読み続けてきたけど、最近どれもイマイチな感じがしてしまうのは私だけでしょうか。

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      『真夏の方程式』東野圭吾

      評価:
      東野 圭吾
      文藝春秋
      ¥ 1,700
      (2011-06-06)
      Amazonランキング: 2584位

      両親の都合で、夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。その旅館「緑岩荘」は美しい海を誇る玻璃ヶ浦にあった。一方、湯川は海底鉱物資源の開発計画の説明会に招かれ、やはり「緑岩荘」に滞在することとなった。その翌朝、港近くの堤防で男性の変死体が見つかった。男は、もう一人の宿泊客・塚原。これは事故か、殺人か。思わぬ事件に巻き込まれた恭平、環境保護活動にのめりこむ旅館の一人娘・成実、観光業がふるわず廃業を考える両親、そして死んだ男はなぜこの町にやって来たのか、湯川が気づいてしまった真相とは――。
      東野さんの作品で、こんなに読むのに時間がかかったのははじめてかも、と思うくらい読みづらい本だった。

      あまりに先に進めないので挫折しそうになったけど、他の方のレビューで「後半から一気に加速する」と書いてあったので、我慢して読み続け(宮部さんはもう無理そうなので東野さんだけでもコンプリートしたいので)、200ページ後半過ぎたあたりから(全部で400ページ強)やっとこさ話の展開が面白くなってきて、そこからは怒涛の一気読み。

      ガリレオ先生が、論理的でないから嫌いと公言している「子ども」にやけに親切だったり懐いてたり、頼まれもしないのに、自分からあえて事件に首を突っ込んだり、成長というのかドラマ化されてから人が変わったのか。

      ほのぼのさが途中までは『菊次郎の夏』ガリレオ版、のような。

      本筋(?)の事件の方も、途中までは緊迫感がないというか、積極的に事件の詳細を知りたいと思えないような感じ。

      とりあえずだらだらと読んでいて、突然感動が襲ってきて、でも少しでも感動してしまったことを後悔したくなるような、苦々しい結末というか。

      これがドラマ化とか映画化されたら子役はふくくんか子ども店長あたりかな。
      どちらも偏屈そうではないけど。
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        『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

        評価:
        東野 圭吾
        角川書店(角川グループパブリッシング)
        ¥ 1,680
        (2012-03-28)
        Amazonランキング: 271位

        悩み相談お任せください――。
        時空を超えて交わされる、温かな手紙交換。
        すべての人に捧げる、心ふるわす物語。

        あの時の回答は、あなたを救いましたか?

        あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は……。
        物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。
        東野圭吾が贈る、感動と驚愕の物語。


        生まれ育った小さな町で雑貨店を営む浪矢雄治。
        その苗字から子どもたちがからかい半分に悩み相談を持ちかけたことから始まって、いつの間にやら評判となった『ナミヤ雑貨店』
        そんなこととはつゆ知らず『ナミヤ雑貨店』に忍び込んでしまった三人組。
        そこで彼らが手にしてしまったのは、時空を超えて届いた一通の手紙。
        真剣に悩みを打ち明ける女性に、彼らなりのアドバイスを送ることに。
        そして相談者は次々と現れて…。

        『回答は牛乳箱に』『夜更けにハーモニカを』『シビックで朝まで』『黙祷はビートルズで』『空の上から祈りを』の五編からなる物語。

        過去や未来が入り混じり、全てのお話が一つの場所に向かって終結していき、そしてその場所の持つ意味が明らかになったとき、ふいに涙がぽろぽろと。
        「そういうことか」と理解したとき、とても暖かい気持ちになれました。

        とてつもなく大きな愛の物語。

        いつもの東野さんのとは違うけど、こういうのもたまには良いなと思える。素直に。

        でも、ナミヤさんが最初の頃に店先に貼り出した悩みと回答はまるで「生協の白石さん」のような。
        そして迷える子犬さんは、宮部さんのお話に出てきそう(もしくは宮部さん御本人のイメージかも)
        な感じがしてしまった。なぜか。

        ああ、あれがこうなって、こう繋がっていたのか、というのがとてもきれいにまとまって、それぞれのお話の主人公たちの相談の背後にあった真実もまた、涙なくしては…という感じ。
        不器用すぎる愛の形というか…。

        もしも迷える子犬さんのように、私にもその当時こんな相談相手がいれば…かえすがえすも残念無念。

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        『聖女の救済』東野圭吾

        聖女の救済
        聖女の救済
        東野 圭吾 2008/10/25発行 文藝春秋 P.378 ¥1,700
        ★★★★
        私はあなたを心の底から愛しています。それだけに今のあなたの言葉は私の心を殺しました。だからあなたも死んでください――。

        妻、綾音の帰省中、自宅で変死体となって発見されたIT関連会社社長、真柴義孝。

        真っ先に疑われたのは、人気のパッチワーク教室を開く妻、綾音の愛弟子でもあり、義孝の不倫相手でもあった、遺体の第一発見者、宏美。

        夫との関係を知りながらも、必死に弟子の宏美を気遣い、かばおうとする綾音の様子に不信感を抱いたのは、警視庁捜査一課の若きホープ、女性ならではの鋭い視点を持つ内海薫。

        捜査が進むうち、綾音が犯人ではないと確信する先輩刑事、草薙をよそに、綾音の鉄壁のアリバイを解くために内海が訪れたのは、草薙の友人の物理学者、これまで数々の難解な事件の捜査に協力してきたガリレオ先生こと、湯川。

        あの事件(『容疑者xの献身』)以来、捜査に協力的でなくなっていた湯川を動かしたのは「草薙の恋心」?

        そして天才物理学者、湯川をもってしても「完全犯罪」と言わしめた、「理論的には考えられても、現実的にはありえない」虚数解のトリックとは――。

        『ガリレオが迎えた新たなる敵……それは女
        おそらく君たちは負ける。僕も勝てない。これは完全犯罪だ。
        「ガリレオ」シリーズ2冊同時刊行 情念の長篇』だ、そうで。


        2冊同時刊行とは、なんと強気な…(そして懐にやさしくない)。

        これまで文庫で読むものと思っていた短編集、ガリレオシリーズの新作、短編集のほうの『ガリレオの苦悩』で、初めて登場した内海刑事がこちらでも大活躍(結構男二人のコンビが気に入っていたので、最初はなんだか違和感を感じたけど…イメージもすっかり定着してしまってるし)。

        まあでも、草薙刑事がそういうことになったなら…こういう展開も致し方ないのか。
        ただ、最近は疎遠になっていたといっても、やっぱり友人は友人なので、草薙の真意を知る湯川が語る、草薙の大学生の頃のエピソードがなかなか良くて、「それがどうした」の台詞はかっこよかったなと。

        最近の東野さんの作品の中では、一番読み応えがあったし、トリックも、ただただ「すごいなぁ」と感心した(「虚数解」なんて言葉すら知らなかったし…)けど、ここに出てくる容疑者(のような)の女性たち、何だか皆おかしいような…。

        こんなことをのたまう男を好きになるのも、結婚したがるのも、こんな男のために人生を棒に振るのも…、まさか金目当てじゃあるまいし…て、もしかしてやっぱりお金なのかな。

        たぶん、トリック重視のシリーズ(『容疑者xの献身』は、そうでもなかったかな)なので、仕方ないんだろうけど、女性たちの性格が悪いというか(いったいどこに聖女がいるのか…)、動機的に、そこはそうでなくて、こうであってほしかった…みたいな、もやもや感が若干残ってしまったかも。

        そして、本文中に不自然に(たぶん)あの方の名前が二度も出てくるのは、東野さんのサービスなのか…映画の宣伝のための無理矢理なのか…(たぶん前者だとは思うけど)。

        JUGEMテーマ:読書


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          『流星の絆』東野圭吾

          流星の絆
          流星の絆
          東野 圭吾 2008/3/5発行 講談社 P.482 ¥1,785 
          ★★★★★
           彼等の信頼を裏切ることなどできないと思った。幼い日から、いつか三人で両親の仇を討とうと話し合ってきたのだ。その固い結束を、一時の淡い恋心などを理由に壊すことなどできない。
           この男は――行成の背中を睨みつけ、静奈は自分に言い聞かせた。
           この男は、自分たちの両親を殺した犯人の息子なのだ――。

          子ども達がこっそり家を抜け出し、流れ星を待っていた深夜、家に押し入った何者かによって両親は殺害され、幼い弟、泰輔だけが逃げていく男を目撃することに。

          残された三人の子ども達は施設で育ち、そこで両親の仇を討つことを誓う。

          そして大人になり「騙される側の人間より、騙す側の人間」に回ることに決め、長男、功一の明晰な頭脳、二男、泰輔の人当たりの良さ、末の妹、静奈の美貌をもって次々と「カモ」を陥れることに成功した三人が、次なるターゲットとして目をつけたのは、大手洋食チェーン店のオーナーの一人息子、行成。

          まんまと行成に近づくことに成功した静奈と泰輔の前に突如現れた行成の父は、両親が殺された夜、泰輔が見た、犯人かもしれない男。

          時効を目前に控え、ようやく容疑者を探し当てた三人は、男の周囲に仕掛けをし、確実に陥れることに成功していくものの、唯一の誤算、静奈の行成への恋心に気付いてしまい……。

          『息もつかせぬ展開、張り巡らされた伏線、驚きの真相、涙がとまらないラスト。
          「この小説は私が書いたのではない。登場人物たちが作りだしたのだ。」――東野圭吾
          すべての東野作品を超えた現代エンタメの最高峰』だ、そうで。


          無性にハヤシライスが食べたくなったというか、一から作りたくなってしまうようなお話で…。

          最近読んだ東野さんの中では、一番良かったかもだけど。
          うーん…、やっぱりもっと凄いの(『白夜行』以上のもの)を期待してしまうから、なんだかなぁと。

          JUGEMテーマ:読書
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            『ダイイング・アイ』東野圭吾

            ダイイング・アイ
            ダイイング・アイ
            東野 圭吾
            JUGEMテーマ:読書
             
            2007/11/25発行 光文社 P.372 ¥1,680
            ★★★★★
             そうだ、あたしは帰らなければならないのに――。
             途絶えようとする意識の残り火が、激しい恨みへと変わっていった。幸せだった人生を、突然終わらされたことに対する恨みだった。
             あとまだ何十年も続くはずだったのに、それをなぜ、誰が、こんなところで。……
             許さない、恨み抜いてやる、たとえ肉体が滅びても――。

            結婚して3年、今の生活に何の不安も不満もなく、夫と二人きりの幸せな生活を送っていた主婦が交通事故に巻き込まれ、あっけなく命を絶たれてしまった。

            それから約一年後、交通事故の加害者であるバーテンダー、雨村は仕事帰りに何者かに襲われ、一命は取り止めたものの、事故の記憶だけを一切失くしてしまう。

            何故事故から一年以上も経ってから命を狙われたのか…。
            一年前の事故当日の状況を調べ始めた雨村が知らされたのは、もう一人の加害者の存在。
            なのに何故自分だけが…と理不尽な思いに囚われる雨村。

            雨村の退院後間もなく、突然マンションから姿を消してしまう雨村の恋人。
            交通事故の後、羽振りの良くなった、もう一人の加害者の男。
            事件の後、雨村の店に姿を見せるようになった得体の知れない女の存在。

            雨村の周辺で次々と起こる不可解な出来事…。

            そして事故の記憶が欠落したままの雨村は、「人形」のような怪しい謎の女の魔力に絡め取られるように動きを封じられ、女のマンションに監禁されてしまうことに――。

            「俺をみつめるマネキンの眼。そいつは、確かに生きていた。
            その眼には、何が映っていたのか。

            誰もが少しずつ嘘をつき、誰かを陥れようとしている。
            今度の東野圭吾は、悪いぞ。
            ベストセラーを連発する人気作家の幻の傑作、解禁! 〜帯の惹句より〜」だ、そうで。


            冒頭の事故の描写が生々しくて、東野さんにしては珍しくエグいなぁ…新境地なのかな?と思って読み始めたら、実は9年も前の作品だったのかと知ってがっくり。
            その頃の作品調べてみたら、『白夜行』『天空の蜂』『秘密』と、なんと私のベスト3がずらりと…だし、そんな黄金期に書かれていたのに、何故いまさら???という気がしないでも…。

            そして、必然性があったのかどうか良く分からないけど、これまた珍しく、性描写にも力入ってる?というか…。

            なので帯に書かれてるのは、その辺のことだったりもするのかな?

            アマゾンのレビューで、ホラーミステリーと書かれてたけど、確かにホラーちっくだし、もし自分が加害者の立場なら…と考えると、この状況は耐えられないだろうし、逆に被害者の立場なら、これ以上のことするかも(と、いうような想像力は、ものすごく掻き立てられたかな)。

            ただ、ちょっと理解できない部分も多々あったりして。

            そう言えば東野さん、事故に遭った被害者の遺族の気持ちとか、そういうのすごく慮るというか、「忘れ去られる側」の無念さみたいなの、よく書かれてるのかもしれないなと…。

            そして、これとは全く関係ないけど、映画化される『容疑者xの献身』の数学の先生の役、絶対に温水さんでやってほしいなと(もう決まってたりしたらごめんなさい)、切に願う今日この頃…。
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              『夜明けの街で』東野圭吾

              夜明けの街で
              夜明けの街で
              東野 圭吾 2007/6/30発行 角川書店 P.336 ¥1,680
              ★★★★★
               不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。快楽だけを求めて、せっかく手に入れた幸せな家庭を壊すなんて、大馬鹿家郎だ――。
               でも、一つだけ間違っていたことがある。不倫は快楽だけを求めているのではない、ということだ。元々はそうだったかもしれないが、ひとたび始まってしまえば、そんな生ぬるいことはいっていられない。
               これは地獄だ。甘い地獄なのだ。そこからどんなに逃れようと思っても、自分の中にいる悪魔がそれを許さない。

              「世間から見れば、俺たちはおやじ。男ですらない。そのことを自覚しろ」
              大学時代の仲間で集まって飲んでも、もう女の話で盛り上がることも出来ない自分たちを多少寂しくは思いながらも、何の不満もない安定した家庭を人並みに大切にしてきたごく普通のサラリーマン、渡部。

              不倫の末に家庭を壊し、何もかも失った友人を思い「不倫する奴なんて馬鹿だ」と常日頃から言い聞かせていた渡部が、思いもかけず社内の派遣社員、秋葉と不倫の恋に堕ちてしまった。

              二人の仲が急速に進展していくなか、15年前に秋葉の実家で起きた殺人事件のことを知った渡部に、次々と近づいてくるのは、時効を目前に控え、真相を探るために秋葉の周囲を嗅ぎ回る刑事と、被害者女性の妹と名乗る女、そして秋葉の父親。

              妻に嘘をつき、秋葉との逢瀬を重ねながらも、時効成立までは事件のことは何も話せないという秋葉の言葉に、渡部の心も揺れ動いていくのだが……。

              「幸福な家庭で起きた殺人事件。
              まもなく時効を迎える。
              僕はその容疑者と不倫の恋に堕ちた――。
              この恋はどこまで続くのだろうか。
              緊迫のカウントダウン。衝撃のラストシーン。
              著者渾身の最新長編小説 東野圭吾の新境地にして最高傑作」だ、そうで。


              帯にある「新境地にして最高傑作」の謳い文句にちょっと疑問が…。
              たぶん40代以上の家庭持ちの方なら共感しまくりなんだろうけど、まったくもって誰にも感情移入もできなければ、面白くも何ともなかった。

              東野さんの本を読んで、こんなに面白くないと思ったのは初めてかも。

              不倫の始まりも、この男のどこに惹かれたのか理解できないし、そうなってからの行動も、何だかなぁと。

              だいたい、クリスマスたら、バレンタインたら、ホワイトデーたらを恋人と一緒に過ごさなければ…という思い込み(そこまで必死にその日に賭けるかなぁと…)は、いったい何なんだろうと理解できないし、不倫なのに、色気がないというか(そもそもベッドシーンを書くのが苦手なはずの東野さんが、不倫をテーマにって…そこからして無理があるような)。

              二人の関係があまりにも馬鹿ばかしく思えてしまったので、時効を迎える殺人事件の方も、なんだかどうでもいいやという感じになってしまった。

              ラストの何ページかだけに、ようやく東野さんらしさを感じられて、最後は溜飲が下がったかな。
              番外編の『新谷君の話』はすごく面白いし。

              この本を読むと、男側から見ての、結婚に対する後悔みたいなものがひしひしと感じられるので、そこはかなり笑えてしまうかも。
              きっとこれは男性読者のことだけを考えて書かれたものなのかもしれないなと。

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                『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』大沢在昌、石田衣良、今野敏、柴田よしき、京極夏彦、逢坂剛、東野圭吾


                小説こちら葛飾区亀有公園前派出所
                大沢 在昌,秋本 治 2007/5/30発行 集英社 P.266 ¥1,050
                ★★★★★
                両津。両津勘吉――。
                 大原は、その名を聞くと胃がしくしくと痛くなるのである。
                 大原の知る限り、両津は警察史上最悪の警官――いや、戦後史上最低の日本国民――いやいや、地球史上最低最悪の人類と云ってもいいと思う。そもそも検査をしてみたら縄文人だかゴリラだかの遺伝子が混じっているとか云うような話も聞いた。
                 人間じゃないのだ、あれは。
                               〜『ぬらりひょんの褌 京極夏彦』より〜

                恋人の晶にせがまれ、鑑識係員の藪も誘って、3人で正月明け早々の人でごったがえす「浅草寺」への初詣にしぶしぶ出かけることにした、新宿署生活安全課の刑事、鮫島。
                参拝を済ませた3人は、藪の馴染みの店で「土産」を買って帰ることにし、そこで店から出てきた「あの男」とばったりと出会ってしまい…『幼な馴染み 作:大沢在昌 “新宿鮫”との競演が実現!!』

                池袋西口公園に程近い果物屋で、店番をしながら、雑誌にコラムを執筆し、この街のトラブルシューターとして皆から頼りにされる、真島誠、通称「マコト」。
                いつものように「マコト」が店番をしていると、似合わないキャメルのトレンチコートに身を包んだ「あの男」がやって来て、「真島誠」に会わせろと言うのだが…『池袋⇔亀有エクスプレス 作:石田衣良 夢のコラボ第2弾は人気シリーズ“IWGP”のマコトと競演!!』

                仕事一筋で家庭も顧みずノンキャリアで出世街道をまっしぐらに突き進み、退官後は生まれ故郷の葛飾区に戻り、悠々自適の生活を送ろうとしていた、勝ち組を自負する元警視。
                かねてより密かに計画していたプラモデル作りを存分に楽しもうとする元警視は、近所のプラモデル屋で「あの男」が作ったという完璧なプラモデルの完成品を見て、俄然闘志を燃やすことに…『キング・タイガー 作:今野敏 マニアも喜ぶネタで両さんを狙い打ち!』

                本業である無認可保育園経営の赤字を補填するため、副業で私立探偵を始めた花咲慎一郎。いつものように園で朝食の後片付けをしていた慎一郎を訪ねてやってきたのは、金髪コスプレミニスカポリス、麗子。
                すぐに派出所まで来ないと、「あの男」が園児の祖父に何をしでかすか分らないと脅かされ、中川の運転するパトカーに乗せられて連れて行かれた慎一郎がやらされるはめになるのは、「あの男」との激マズ蕎麦喰い対決…『一杯の賭け蕎麦-花咲慎一郎、両津勘吉に遭遇す- 作:柴田よしき 両さんとの手合わせに応じるのは、あの、保育士探偵!?』

                両津勘吉を目の敵としている、両津の上司、大原巡査部長が若き頃に遭遇し、人生の転機となったとも言うべき不思議な妖怪の話。
                当時大原が住んでいた川沿いのボロアパートの密室で起きた食物盗難事件…幻ではない証拠に、そこにはしとどに濡れた褌が残されていたといい、数年後、その褌を元に密室の謎を解くのは、当時、大原と同じアパートに住んでいた暖簾禿げのデブの小説家、南極夏彦…『ぬらりひょんの褌 作:京極夏彦 思い出の町・中野を訪れた大原部長、大学時代にぼろアパートで遭遇した怪異な事件の記憶がよみがえり…!?』

                昇任試験に落ち続け、年下の部下に先を越されても、いまだに巡査長どまりの梢田が勤務する「御茶ノ水署」の保安二係に交流研修プロジロェクトの研修生として、葛飾署から派遣されてきたのは、両津と麗子の二名。
                梢田の同級生でもある、上司の斉木に「何を研修したいか」と促され、両津が希望したのは、御茶ノ水署全体を巻き込む、とんでもない大勝負…『決闘、二対三!の巻 作:逢坂剛 日本推理作家協会前理事長が、「御茶ノ水警察署」シリーズで両さんワールドに殴り込み!!』

                勤務中の読書に耽る中川から取り上げた一冊のミステリが発端となり、一攫千金を夢見て「江戸川乱歩賞」を狙うことにした両津。
                早速「日本推理作家協会事務局」に乗り込むも、けんもほろろに追い返された両津は、中川から紹介された新人作家発掘のプロだという男から、乱歩賞の締め切りは明日だと聞かされ…『目指せ乱歩賞! 作:東野圭吾 最後のバトンタッチを受けた直木賞作家が禁断の文壇ネタでオチを飾る!!』

                燹悗海禅機拵∈棕械絢年記念×「日本推理作家協会」設立60周年記念
                両津勘吉、『新宿鮫』や『池袋ウエストゲートパーク』etc.の人気キャラと夢の共演
                超人気作家7人が両さんを描く!瓩函△いΔ海箸如帖


                発売前からこの「夢の共演」のあまりの豪華さにわくわくしてたけど、期待以上に面白くて、これで1,050円というのは、ものすごくお値打ち物だなと。

                数年前まで「少年ジャンプ」を愛読していたので、両さんのことも少しは知ってる(多分殆どの人が、私よりも良く知ってると思う)けど、全く知らなくても、これを読むとどんな人物なのかが良く分る、というぐらい両さんの突き抜けた感が至るところに良く描かれていて、ああ、両さんなら有り得るだろうなというお話ばかりで。

                私は、大沢在昌さんと京極夏彦が初読みで(多分、このお二方は超有名なんだろうけど…)、シリーズ物ということなので、話分るのかな?と少々不安だったけど、最初のページにそれぞれのシリーズの人物紹介がきちんと書いてあるので、難なくクリア(読んでたら、もっと楽しめたんだろうなとは思うけど)。

                そして、一番面白いと思ったのが、その初読みの京極さんの書かれた『ぬらりひょんの褌』。これは、本当に滅茶苦茶良く出来てるなぁと感心してしまったし、繋がり方が絶妙。
                本当に「こち亀」を愛読されているんだなぁというのがひしひしと伝わってきたというか、マニアックというか…。

                紅一点の柴田よしきさんの『一杯の賭け蕎麦』も、両方の話が上手くマッチされているのではないかなと思えたし、爆笑したし、いかにも両さんらしいオチだし。

                東野さんの『目指せ乱歩賞!』には、『超・殺人事件 推理作家の苦悩』に登場した「黄泉よみ太」が出てきたので、思わずにんまりしてしまったし、これはもう、人間離れした両さんにしか出来ない芸当というか、両さんならこんなことも出来るだろう…というお話で、ラストはまた現実っぽくて風刺が効いてて、東野さんらしいなと。

                30年間一度も休むことなく連載され続けているというのも驚異的だけど、たぶんここに書かれてる7人の作家さんたちは、ものすごく楽しみながらこれ書かれたんだろうなぁというのが、読んでても分る気がしたし、こんなにも皆に愛されてる両さんは(作者の秋本さんも)、本当に幸せだなぁとつくづく思えてしまった。

                次回はこの企画『パタリロ!』でやってくれないかなと、密かに期待したりして…。

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                  『使命と魂のリミット』東野圭吾

                  使命と魂のリミット
                  使命と魂のリミット
                  東野 圭吾 2006年 新潮社 P.376
                  ★★★★
                  良心があるなら――その通りだった。彼には良心が残っていて、それが彼自身を苦しめていた。

                  「人間というのは、その人にしか果たせない使命というものがある…」
                  手術前、当時中学生だった夕紀に、「だからカッコよく生きていこう」という言葉を遺して、帰らぬ人となった父、健介。

                  父の手術の失敗に疑惑を抱いた夕紀は、医師になることを決意し、帝都大学医学部を卒業後、いくつかの部署で研修を受け、夕紀の最終目標、父の執刀医であった心臓血管外科の権威、西園教授の下に、ようやく辿り着いた。

                  心に黒い影を落としたまま、半人前の研修医として、体力的にも精神的にも休まる時間のない忙しい日々を送る夕紀がある朝、病院の駐輪場で見つけたのは、帝都大学病院の医療ミスを告発し、謝罪に応じなければ破壊するという脅迫状。

                  そして、捜査に訪れた、夕紀の父親を良く知るという警視庁特殊犯捜査二係の七尾から、父親の過去の意外な真実を聞かされ、夕紀の抱き続けていた疑惑は次第に形を変えてゆく…。

                  「東野圭吾最新作
                  閉鎖空間・タイムリミット・隣り合わせの生死
                  あの日、手術室で何があったのか? 今日、手術室で何が起きるのか?
                  心の限界に挑む医学サスペンス」だ、そう。


                  大好きな『天空の蜂』系かな。
                  理工系の東野さんならでわと言うか、さすが元技術者と言うか…。
                  派手さはないけど、十分唸らされた。

                  緊迫したオペの場面は、圧巻(どんだけ取材とか、勉強したんだろうと…)。
                  私が東野さんの作品の中で最も好きなところ、「犯人の動機」は、まあまあのような気がしたけど(以前の作品にも、こういうのあったような…)、その後がなかなか。

                  最後の方は、ちょっとだけ涙が出た。
                  何か珍しいパターンだなと…。
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                    『赤い指』東野圭吾

                    赤い指
                    赤い指
                    東野 圭吾 2006年 講談社 P.270
                    ★★★★
                    この家には、隠されている真実がある。それは警察の取調室で強引に引き出されるべきことじゃない。この家の中で、彼等自身によって明かされなければならない。

                    捜索願の出ていた少女の遺体が発見された。

                    現場周辺の聞き込み捜査にあたるのは、練馬署の刑事、加賀恭一郎、そして、加賀の父親をこよなく尊敬し、恩返しのために同じ警察官の道を選んだと言う、警視庁捜査一課の新米刑事、松宮。

                    現場に残されていた「あるもの」を採取するため、対象となる家庭を回っていた加賀が足を止めた一軒の家。

                    認知症の母親を抱える、サラリーマンの夫とパートで働く妻、そして中学生の息子の4人家族。

                    「平凡な一家という感じだな」とポツリと言う松宮に、加賀は言う「平凡な家庭など、この世にひとつもない。外からだと平穏な一家に見えても、みんないろいろと抱えているもんだ。」と。

                    そして、捜査開始二日目の朝、その家の主人からの「事件について話したいことがある」との電話を受け……。

                    「直木賞受賞第一作 書下ろし長編小説
                    犯罪を超えたその先に、本当の闇がある。二日間の悪夢と、孤独な愛情の物語。」です。


                    『卒業』『悪意』『眠りの森』『嘘をもう一つだけ』に登場してきた、加賀恭一郎のシリーズもの(と、いって良いのかな?)。
                    もちろん、本作だけでも十分堪能できるはず。
                    何せ、待ちに待った東野さんの新刊だし。

                    殺された少女の母親が泣いている場面、こう書くだけで、こんなにも悲しみが伝わってくると言うか…。

                    ここに出てくる家族の行動のおぞましさ、人としての醜さ、弱さ、脆さ…その他諸々のことに、読んでいて、かなりムカムカしてしまった。

                    なので、最後の方で加賀が松宮に言い放ったひと言には、溜飲が下がった。

                    に、してもこれが人間のすることなのか…と、あり得なくないから悲しくなってしまう。
                    何なんだ、この家族。

                    それに比べて…加賀刑事と、父親の関係には涙してしまう。
                    「この親にして、この子あり」反転(これは事件の方でもそう思った)というか…。
                    立派だ。

                    『眠りの森』でも父親の存在、結構大きかった気がするけど、こういうことがあったのか…と。
                    (あのときは、加賀刑事の恋みたいなのもあって、ファンとしては「キーッ、悔しい」となってしまったけど…)。

                    加賀刑事のこれからを、もっともっと知りたいので、また登場させてもらいたいけど、できればずっと独身でいてほしい…。

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