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    『探偵ガリレオ』東野圭吾

    探偵ガリレオ
    探偵ガリレオ
    東野 圭吾 2002年 文春文庫 P.324
    ★★★★★
    「面白いことを教えてやろう。アメリカで、UFOを目撃したという人の話を徹底的に分析してみたところ、九十パーセント以上が何かの見間違いであると判明したそうだ。しかもその中で最も多いのは、なんと天体をUFOと見間違えたというものだった。特に多いのは金星だが、中には月をUFOだと思ったという人間さえいる。」
    「何がいいたいんだ」
    「幽霊の正体は、いつも案外つまらないということさ…」

    深夜、静まり返った街の一画で騒音を撒き散らしながら、たむろする若者たち。
    たわいもない馬鹿話で盛り上がっていたその時、突然一人の少年の頭から発火した。
    周囲の少年たちには、何が起こったかわからないまま、少年はたちまち炎に包まれる。

    警察の捜査では解明できない、心霊現象や超能力としか説明がつかないような不可解な難事件。
    警視庁捜査一課の草薙は、奇怪な事件の謎を解くために、友人である帝都大学理工学部物理学科助教授、天才科学者の湯川の研究室を訪れる…『燃える―もえる―』

    鯉がいるという噂を聞いて、釣りにやって来た中学生たちが、ゴミだらけのひょうたん池で見つけたのは、アルミで出来たデスマスクのようなもの。
    その顔は、行方不明中の男の顔と酷似していた。
    そして、ひょうたん池から男の死体が発見され…『転写る―うつる―』

    吝嗇家のスーパーの経営者が、風呂場で死亡しているのが発見された。
    一見ただの心臓発作を起こしたかのように見えた死体の胸には、その部分の細胞だけが壊死した痣が残されており、どうやら他殺の線も捨てきれず…『壊死る―くさる―』

    海水浴を楽しむ新婚夫婦が何者かに狙われていた。
    ビーチマットで沖に浮かぶ妻を、砂浜から見つめていた夫が目にしたのは、突然の轟音と共に、海から突き出た黄色い火柱。
    その直後パニックが起こり、海から逃げ惑う人々。
    そして後にはビーチマットだけが取り残されて…『爆ぜる―はぜる―』

    ある殺人事件の容疑者となった男のアリバイを証明することになったのは、小さな男の子の描いた一枚の絵。
    熱を出して意識が朦朧としていた少年は、普段、マンションの窓からは見えない景色が見えたのだというのだが…『離脱る―ぬける―』
    の5編から成る連作短編集。

    「刑事は奇怪な事件を抱えて天才物理学者の扉を叩く
    常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。」です。


    直木賞受賞作『容疑者の献身』の「ガリレオシリーズ」の第一作目。

    私も、草薙刑事と同じく、全くの理系オンチなので、謎を解き明かされても、ただただ感心するばかり。

    ただ、怪奇現象のような謎を、科学を用いて解明していくのも面白かったけど、犯人たちの殺人の動機というのも、なかなか興味深かった。
    『燃える』の犯人には、ちょっと同情するし、『爆ぜる』の犯人の自己中さというか、逆恨みもいいとこなのには腹が立つ。

    『転写る』は、ラストの「オチ」もよろしくて…。
    「科学文明がいくら発達しても、それを使う人間の心が進化していないと…」と言う湯川の台詞には、なかなか考えさせられてしまった。

    科学で解明できないことも、この世にあった方が面白いと、『Xファイル』が大好きな私としては思ってしまうけど。

    長身で色白、黒縁眼鏡をかけた秀才タイプの顔つき、前髪を眉の少し上で切り揃えた髪型、白衣姿の天才科学者、湯川…うーん、身長を除けば、大槻教授のような。
    分かりやすく実験して見せてくれるところは、でんじろう先生みたいで、でも、東野さんは佐野史郎さんをイメージしていて…、ああ、みんな似てるのか。

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      『毒笑小説』東野圭吾


      毒笑小説
      東野 圭吾 1999年 集英社文庫 P.340
      ★★★★
      「僕は『怪笑』『毒笑』のシリーズをやるときにいろいろ考えた。アイデアを考えるときに、基本的に人間というのは、どんなときに笑うかな、どんなときに面白いと思うかなと。結局、他人の不幸なんです。」
      −巻末特別対談より−

      年に一度行われる麻雀大会のためだけに建てた別荘で、宝船満太郎、銭箱大吉、福富豊作の三人の大金持ちの爺さんたちは、かわいい孫のため、とんでもない誘拐を企てる…『誘拐天国』

      まるで、伝説の天使そのままの新生物が発見され「エンジェル」と名付けられた。
      しばらくの間は珍重されるも、やがて人工的に繁殖させることが可能になり、一般人の間でもペットとして飼われるようになり、一人の腹をすかせた日本人の男が我慢できずに…『エンジェル』

      世帯主の大半が、ある家電メーカーの社員達で占められるというニュータウンの重役宅で、夫人が開くティーパーティー。
      参加する部下の社員の妻達は、夫人から押し付けられる手作りのプレゼントの処分に頭を悩ませていた…『手作りマダム』

      カッとなって妻を殺してしまい、自首することにした男。
      徹底的にマニュアル化された近代的な警察署で、あちこちの部署をたらいまわしにされ…『マニュアル警察』

      息子家族を送り出し、一人で留守番を引き受けた、枯れた老人を演じる伸太郎。
      伸太郎には、孫の隠し持っているAVをこっそり見ようという魂胆があったのだが、そこへ泥棒がやって来て…『ホームアローンじいさん』

      由緒正しき旧家の跡取り息子。
      母親の決めた相手との結婚式の当日、どうしても母親に確認しなければならないことがあるという…『花婿人形』

      超売れっ子の女流作家は出産のため、しばらく筆を置くことに。
      無事に子供も生まれ、連載を再会し始めた作家だが、決して編集者達に直接会おうとせず「どうやら人間嫌いになったらしい」と囁かれ始めたのだが…『女流作家』

      誘われるように入った古本屋で、女が手にした「殺意取扱説明書」。
      とりあえず説明書の手順に従い、女は殺意の準備をし、初期化して…『殺意取扱説明書』

      突然ピアノを習い始めた、それまで仕事一筋で生きてきた無趣味の中年男。
      ト音記号さえ知らなかった男は、週に二回のレッスン後も猛練習を積み、どうしても三ヵ月後にある発表会で演奏したいと願うのだが…『つぐない』

      職場でもどこでも、目立たず、陰気で、鬱陶しがられていた男は、ある殺人事件の目撃者となり、一躍脚光を浴びるものの…『栄光の証言』

      死ぬ間際に父が遺してくれたのは、ある有名な殺人事件(『名探偵の掟』に出てくる、壁神家の事件)に纏わる重要な一本の棒きれ。
      テレビの鑑定番組での評価額は「0円」だというのだが…『本格推理関連グッズ鑑定ショー』

      ある男の元に突然かかってきた電話の内容は、見ず知らずの子供の誘拐事件の身代金を、親の代わりに支払えと、男に要求するもの。
      いたずらに違いないと思いつつも、気になる男が取った行動は…『誘拐電話網』

      の12編から成る、「毒のある可笑しさに満ちた傑作が1ダース!名作『怪笑小説』に引き続いて、ブラックなお笑いを極めた、会心の短編集。」だ、そう。


      どれもこれも皮肉や風刺が効いてて、面白いけど、特に好きなのは『ホームアローンじいさん』と『誘拐電話網』。

      映画の「ホームアローン」さながらに、様々な罠が泥棒を追い詰めるけど、それはじいさんのあずかり知らぬところで…、じいさんのおろおろさ加減がすごく良く分かるというか。
      ビデオって確かに操作がややこしいし。
      その後、その場で、どんな空気が流れたのかがとても気になる。

      『花婿人形』は、馬鹿馬鹿しいというか、あほくさいというか、でも好き。

      巻末の京極夏彦さんとの対談で、東野さんが筒井康隆さんの作品について触れてたのが、ものすごく嬉しかったりした。
      ああ、やっぱり…と。

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        『天空の蜂』東野圭吾

        天空の蜂
        天空の蜂
        東野 圭吾 1998年 講談社文庫
        ★★★★★

        「一度は蜂に刺されたほうがいい」
        「子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。」

        ある夏の日の朝、愛知県にある錦重工業小牧工場から飛び立った一機の巨大ヘリコプター…。
        何者かによって奪取された、自衛隊の新型ヘリの通称は「ビッグB(bee)」。
        ヘリコプターには操縦者は搭乗していない。
        無人のヘリ、のはずだった。
        向かった先は福井県の敦賀半島北端にある灰木村。
        漁業と海水浴客用の民宿で生計をたてている小さな村。
        そして「ビッグB」がホバリングをしている真下にあるのは、原子力発電所…稼動中の高速増殖原型炉『新陽』。
        無人のヘリコプターを操作している犯人の要求は『新陽』を除く、現在稼動中の全ての原発を使用不能にすること…。
        要求が受け入れられなければ「ビッグB」は『新陽』に墜落する。
        燃料が尽きるまでに、残された時間はあとわずか…。
        墜落したとき、どうなってしまうのか誰にも予測できない。

        「ビッグB」のプロジェクトの関係者、自衛隊の隊員達、原子力発電所の所員達、県警の刑事達、そして原発被害者…とにかく登場人物が多かった…。
        ちょっとしたいたずらから、ヘリに取り残されてしまった子供の救出場面は本当に圧巻で…この場面だけでも、映像化されればすごいと思う。
        そして、犯人の、というより、これを書いた東野さんのメッセージをきちんと受け止めながら読まないといけない気がした。

        そして、最後の台詞…。重い。

        東野さんの作品の中では異色なものだと思うけど、私の中でのベスト5の中に入る。
        文庫版の解説を、真保さんが書いているのも好きな理由だったりして。

        今日の新聞に「久美浜原発の建設を断念」とあったのが、また感慨深いというか…。









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          秘密

          秘密
          秘密
          東野 圭吾
          ★★★★

          不運なバスの転落事故に遭った母と小学5年生の娘。
          娘の命はかろうじて助かったものの、目覚めたときには、身体は娘のものでも、中身は母親のものだった…。
          そして父親と娘の奇妙な生活が始まる。
          まぶしいくらいに美しい娘に成長していく娘を目の当たりにして、父親の陥るジレンマ。
          このままでは二人とも不幸になってしまう。
          そんなとき娘が最後に選ぶ道とは…。

          小説でこんな風に泣けたのは久しぶりポロリというほど最後は泣いた。
          父親の気持ちも、娘の気持ちも痛いほどよくわかる。

          映画では、娘=広末涼子、父親=小林薫、母親=岸本加代子。
          なかなか良かった。







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            『悪意』東野圭吾

            悪意
            悪意

            東野圭吾 2001年1月
            ★★★★

            人はどんな理由で、人を殺すのか…。
            人気小説家が自宅で絞殺された。
            犯人は小説家の幼なじみでもある小説家志望の男。
            男は元教師であり、現在は児童文学を手がけている。
            男は癌に侵されていて、その命はもう限られている。
            この男の手記と、かつてはこの男と同僚であったという刑事の記録。
            二人の視点から明かされていく本当の動機…。

            人間の性根なんてそうそう変わるものでもないし…。でもこの動機には「うーん」とうならされる。さすが東野さんです。
            あらためて本のタイトルを見直してしまいました…。納得。

            そして、ある一つのことだけで、植えつけられる人間のイメージってつくづく怖いなぁと思った。
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