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    『天使の耳』東野圭吾

    天使の耳
    天使の耳
    東野 圭吾 1995年 講談社文庫
    ★★★★★
    規則というのは諸刃の剣なんだよ。自分を守ってくれるはずのものが、ある日突然自分にしっぺ返しをする。だからその剣を使う人間が重要だということになるね。無能な木偶の坊だと、ただそれを型通りに振り回すだけということになる
    午前零時過ぎに起きた、目撃者のいない交差点での、外車と軽自動車の衝突事故。
    軽自動車の運転手は瀕死の重傷を負っていた。
    外車はほぼ無傷で、運転していたフリーアルバイターの男は目の前の信号は青だったと主張する。
    軽自動車に同乗していたのは、運転手の妹。
    少女も信号は青だったと主張するが、彼女の目は見えない。
    少女は兄に非がなかったことを、何とか証明しようと必死に訴えるのだが…「天使の耳」

    午後十一時過ぎ、急ブレーキを踏んだトラックが、スリップして中央分離帯を越え、横転したところへ、運悪く対向車が激突してしまった。
    目撃者の話では、トラックは路上駐車の車が出てきそうになったのを避けようとして事故を起こしたらしい。
    トラックの運転手の妻の、警察官顔負けの捜索により、そのとき路上駐車していた車は発見されるのだが…「分離帯」

    道幅の狭いカーブ続きの道で、後続車に煽られ、スピードを出しすぎ、カーブを曲がりきれずガードレールにぶつかったのは、女性の運転する若葉マークの車。
    後ろから煽っていた後続車の男は、厄介ごとに巻き込まれるのを恐れ、怪我をしていた彼女をそのまま放置して逃げ出してしまう…「危険な若葉」

    車一台通るのがやっとの狭さの道に、長時間路上駐車していた車を当て逃げされた男。
    車に傷をつけられ憤慨していた矢先、加害者から謝罪したいとの電話がかかり、内心、喜び勇んで慰謝料を受け取りに行くのだが、そこには予想以上の金額が包まれていた…「通りゃんせ」

    その日、彼女の両親に結婚の許しを得た帰り道、高速道路を走行中のカップルを襲った突然の悲劇。
    前の車が何気なく窓から投げ捨てた空き缶が彼女の目に当たり、片目の視力を奪われてしまうという事故。
    このままでは済ませられないと、男は、前を走っていた白のボルボを何とかして見つけ出そうとするのだが…「捨てないで」

    交差点で起きた、乗用車とバイクの奇妙な衝突事故。
    走ってきたバイクが停止線で止まろうとしていたとき、乗用車が左の角から突っ込んできたという。
    事故を起こした車に乗っていたのは、ある有名人の男。
    信号が変わる間際に交差点を右折しようとスピードを出しすぎたため、激しくスリップした車が、反対車線に突っ込んでしまったというのだが……「鏡の中で」
    の6編から成る連作ミステリー。


    改題前のタイトルは『交通警察の夜』。これでは、何となく固いかな…。
    6編のタイトルは、どれもすごく洒落がきいてて、上手いなぁと思った。

    交差点での衝突事故も、中央分離帯を乗り越えるトラックも、カーブを曲がりきれなくてガードレールに突っ込むのも、毎日のように新聞に載っているような、よくある事故ばかり(あったら困るんだけど…)。
    けれど、ここに描かれているのは、一見何でもない、よくある事故なのに、その後の展開はただでは済まさない、人間の怨念のようなものを感じる。

    兄の正当性を証明しようとする少女のやったことも、トラックの運転手の妻のやったことも、後続車に煽られた女がやったことも…ぞっとする話ばかり。
    そして、悪気なく路上駐車をしていたことが、誰かの命に関わったり、やってはいけないポイ捨てが、無関係の人間を傷つけたりしてしまうのも、すごく怖い。
    そういうこと、全くないとは言い切れないから怖いと思う。

    そして、そういう事故に関しては、警察はきっと役に立たないというのもよく分かる。
    法が、裁いてくれないのなら…という気持ちも。
    ポイ捨てされた空き缶で失明してしまった人間に対して「仮に見つかったとしても、自分は空き缶なんか捨ててないっていわれればそれまでだし」という係官の台詞もその通りで…だからこのラストはすごく好きかも。
    最後の「鏡の中で」のラストも、なかなか粋で良い。
    実際には、こんなことないんだろうけど、こんな警察官いたらいいなぁと思った。

    私は、結構制服フェチなので、警察官とか、消防士さんとか、レスキュー隊とか、自衛官とかの制服を着ている人についつい目が行ってしまったりする。
    たまに駅員さんにも。
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      『宿命』東野圭吾

      宿命
      宿命
      東野 圭吾 1993年 講談社文庫
      ★★★★★

      なぜこの男のことが好きになれなかったのか、なぜ何となく嫌だなあと思ったのか。
      似ていたからなのだ。
      自分でも思った。あいつとはよく似ている。だがそれを認めたくなかった。自分が誰かに似ていたり、誰かが自分に似ていたりするのは我慢ならなかったのだ。

      少年の頃の記憶…。
      広い病院の敷地内に入り込んで、虫取りやドングリ拾いをしていた子供達に、いつも飴玉やキャラメルをくれた入院患者の「おねえさん」。
      少年は、彼女の側にいるととても穏やかな気持ちになれた。
      そんな「おねえさん」が突然死んでしまった。
      少年は木の下にうずくまって、長い間泣いた。

      それから数年後、少年はある一人の少年と出会う。
      クラスのリーダー的存在だった少年にとって、存在こそ目立たないものの、どこか気になる奴。
      勉強も、スポーツも、少年がどれほど努力しても、その子には敵わない。
      しかも大会社の御曹司…。

      少年は、子供の頃よく遊んだ病院の記憶から、いつしか医者になりたいと思い始めていた。
      しかし、その夢はある事情によって断念せざるを得なくなる。
      そのために、彼は、夢も恋人も諦め、父親と同じ警察官への道を選ぶ。

      そして警察官となった彼は、ある殺人事件の容疑者の一人として、かつてのライバルだった男と再会する。
      その男は、彼の諦めたものを全て手に入れていた…。仕事も、家庭も…。

      またもや敗北感を味わう彼は、事件の全貌を解明するため、必死の捜査を開始し、男の背後にある過去のおぞましい出来事をつきとめてしまうのだが…。


      犯人探しとか、トリックがどう、というよりも、この二人のライバルっぷりがすごく面白い。
      何より登場人物が多いので、途中で「これ誰?」と思うような人がたくさん出てきて困ってしまった…。

      何もかも負けていると感じる彼には、一つだけそうでないことがあって…。
      そして、最後の一行。
      素晴らしい…。

      ここまで読んだことが全部、ものすごく「納得」できる一行だった。
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        『怪しい人びと』東野圭吾

        怪しい人びと
        怪しい人びと
        怪しい人びと
        東野 圭吾

        怪しい人びと

        怪しい人びと
        怪しい人びと
        眉村 卓

        並べてみたかったのです。ただ。

        『怪しい人びと』
        東野圭吾 1998年 光文社文庫
        ★★★★★

        映画『アパートの鍵貸します』さながら、ホテル代わりに自分の部屋を友達に提供し、小遣い稼ぎをする男。
        ある日彼が部屋に帰ると、そこには見知らぬ女がベッドで寝ていた…『寝ていた女』

        警察に追われる強盗犯人が、とっさに入った家は、昔高校球児だった男の人生を狂わすこととなる運命の判定を告げた審判の家だった…『もう一度コールしてくれ』

        とある自動車工場の休憩室で死んでいた男。
        彼を殴り殺したのは、まるで人間の腕のような仕事ができる、精巧なロボットの鉄鋼製のアームなのか…『死んだら働けない』

        新婚旅行にハワイに旅立った二人。
        彼は自分の幼い娘を殺したのが、今横にいる再婚相手の女なのではないかと疑っていた…『甘いはずなのに』

        13年前、幼馴染で同級生で、わけありの大学生の男二人が旅行に行くことになり、正反対のルートを辿って、どちらがより面白い旅をするか競争することになったのだが…『灯台にて』

        独身仲間だった学生時代の友人から届いた「結婚しました」という手紙。
        しかし同封されていたのは、見知らぬ女性と男性の写真…『結婚報告』

        旅行先で、強盗にあった夫婦が意外な犯人につきあたる。
        東野さんの友人の実話?らしい…『コスタリカの雨は冷たい』

        の7編から成る短編集。
        この短編集の中の『もう一度コールしてくれ』『灯台にて』の二作は、ものすごく好きなお話。
        特に『灯台にて』は、気持ち悪いというか、滑稽というか、不気味というか…表現のしようのない面白さがあって…。
        で、結局は彼は奪われてしまったのか…?

        『怪しい人びと』
        眉村 卓 1992年 新潮文庫
        ★★★★★

        「怪異、幻想、悪夢、恐怖、孤独、敵意、苛立ち、ためらい。ありふれた日常生活の中に潜む非日常的情景を描く、奇妙な味の書き下ろしショートショート32編。」と、とても紹介しきれない数なので割愛。

        眉村さんといえば、NHK「少年ドラマシリーズ」の「未来からの挑戦」を見て以来、ずーっと大好きな作家さんなので、大人になっても、大人用のこういう本があるのがとても嬉しい。









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          犯人のいない殺人の夜

          犯人のいない殺人の夜
          犯人のいない殺人の夜
          犯人のいない殺人の夜
          東野 圭吾 1994年初版 光文社文庫
          ★★★★★

          親友が死んだ。
          学校の屋上から、枯葉のようにひらひらと落ちた。
          ライバルでもあり、初恋の相手の彼氏でもあった親友。
          自殺なのか、それとも…。
          親友の死の真相を知ってしまったとき、主人公は…『小さな故意の物語』
          他『闇の中の二人』『踊り子』『エンドレス・ナイト』『白い凶器』『さよならコーチ』『犯人のいない殺人の夜』全7篇から成る短編集。

          『踊り子』はとても哀しいお話なので、すごく心に残っている。
          好きになった女の子が、ある日自殺してしまった。
          まさかその死に、自分が関わっているなんて考えもせず…。
          本当のこと、ずっと知らないままの方がいいかな…。
          『白い凶器』は、喫煙家の私にはとても考えさせられる話。
          『闇の中の二人』は、とてもおぞましい話…。
          でも、あり得るのかな…。
          『犯人のいない殺人の夜』は、読んでからもう一度読み返して納得。
          やられた感があって、なかなか面白かった。



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            鳥人計画

            鳥人計画
            鳥人計画
            東野 圭吾 2003年 8月 ¥580
            ★★★★

            「和製ニッカネン」と呼ばれる日本のスキージャンプ界のエース、天才ジャンパーが毒殺された。
            恋人の見ている前で彼は死んだ。
            犯人として逮捕されるのは意外な人物。
            何故、犯人は彼を殺さなければならなかったのか、その動機とは?そして完璧な計画だったはずの犯罪を密告したのは誰なのか?動機の裏に隠された恐るべき実験「CYBIRD-SYSTEM-ELM」とは…。

            少しだけスキージャンプのことわかった気がする。そして動機も…。平凡な人間の悲しさ…。天才への憧れ。もうすぐトリノオリンピック。原田さん頑張れグッド(って、出れるんだっけたらーっ?)

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