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    『センセイの鞄』川上弘美

    センセイの鞄
    センセイの鞄
    川上 弘美 2004年 文春文庫 P.270
    ★★★★
    そういえば、センセイばかりと一緒だった。
    センセイ以外の人間と、隣りあって酒を飲んだり道を歩いたり面白げなものを見たり、そういうことを、ここしばらくしていなかった。
    センセイと近しくなる前は、それならば誰と一緒だったかと考えるが、思いつかない。
     一人だった。……
    数年前、二人のいきつけの居酒屋で、最初に声をかけたのは、「ツキコさん」の高校時代の国語の先生。
    咄嗟に名前が思い出せなかった「ツキコさん」は、とりあえず「センセイ」と呼ぶことに…。

    37歳の「ツキコさん」と30歳ほども年の離れた「センセイ」は、こうして言葉を交わすようになり、別段、約束するでもなく、店で会えば、隣り合って一緒に酒を飲み、季節の物を食し、そうこうするうちに、約束をして店以外のさまざまな場所へも、供だって出かけるようになる。

    それは、市の立つ日だったり、きのこ狩りだったり、お花見だったり…。
    そしてその、まるで同窓会のようなお花見の席で、「ツキコさん」は同級生から誘われ、「センセイ」の呼び掛けにも応じずに、二人で消えてしまう。

    それからは何となく「センセイ」とのすれ違いの日々が続き、久しぶりに寄った居酒屋で、店の常連客から「センセイが美人のご婦人と連れ立って店へ来ていた」と聞かされた「ツキコさん」は、自分の中の感情に戸惑い初め…。

    「谷崎潤一郎賞受賞(2001年度)の大ベストセラー。
    40歳目前の女生と、30と少し年の離れたセンセイの、切なく、悲しく、あたたかい恋模様。」だ、そうですが、無知な私は、つい最近本屋さんで見かけるまで、全くこの本のことを知らなかったです…は、恥ずかしい。


    そして、読んだ感想は…すごく可笑しくて、ものすごくもどかしくて、あまりにも切な過ぎた。

    巨人戦の話題で、つまらない意地の張り合いをした場面や、キノコ狩りでの「かつて妻だった人」のワライダケの話は、すごく面白くて、一話完結みたいな、こういう関係のまま、話が終わるのかと思ってしまった。

    「どうしてセンセイと話をするときにわたしはすぐに憮然としたり憤慨したり妙に涙もろくなったりするのだろう。もともとわたしは感情をあらわにする方ではないのに。」
    恋だなぁ…(素直な感情過ぎて、不器用で、本当に「ツキコさん」は、かわいい女性だと思える)。

    「一人で今まで楽しく生きてきたはずだったのに、どうしたことか。」
    ここら辺りの「ツキコさん」の気持ちは、痛いほど良く分かる。
    (そういう相手が出来れば、「二人もいいのかも…」と、考え始めて、大抵突き落とされて、また一人に戻った時には、それに慣れるのにしばらく時間がかかって辛いから、もう、ずっと一人のままがいい…と、思ってしまうんだけど、私の場合。)

    じっくりと、ゆっくりと、丁寧に、愛が育まれていく様子は、見ていてとても微笑ましくて、二人の間で交わされる丁寧な会話は、とても美しかった。

    「センセイ」のこと、想像した時に、どうしても漫画の「天才柳沢教授」しか思い浮かばなかったけど、WOWWOWのドラマでは、柄本さんとキョンキョンだったのね…。
    これはこれで合ってそうで、観てみたいかも。

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