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    『恋愛の解体と北区の滅亡』前田司郎

    恋愛の解体と北区の滅亡
    恋愛の解体と北区の滅亡
    前田 司郎 2006/6/30 発行 講談社 P.191 ¥1,680
    ★★★★
    結局のところ僕という人間には情熱が足らないのだ。憎しみを殺意にまで育てるような。恋を愛にまで育てるような。すぐに投げ出してしまう。僕なんかは人を殺したとしても過失致死だ、もしくは衝動殺人だ。とても計画性のある犯行などできようもない。だから、愛も、過失か衝動に頼るしかないのだ。

    日本最後(になるかもしれない)の日、東京のとあるコンビニで、420円のビニール傘を買うために小銭をきっちり用意してレジに並んだ見た目ひょろひょろメガネの「僕」は、順番を無視して先に会計を済ませてしまったマッチョな男に憎しみを抱き、殺意すら覚え、男を待ち伏せして襲撃するために、ナイフの専門知識を叩き込もうと本屋に立ち寄り立ち読みし始める。

    そうこうしているうちに思考はどんどん膨らみ、やがて男への憎しみは、もしかして「愛」なのかもしれないと考えはじめ、「愛」と「憎悪」のメカニズムを解明するために、人間のマゾヒズムとサディズムの深淵を覗こうとSMクラブへと足を運ぶことに…『恋愛の解体と北区の壊滅』の長編に『ウンコに代わる次世代排泄物ファモナ』の短篇が収録されたシュールな一冊。

    『三島由紀夫賞最終候補 注目の東京小説第2弾!
    ヤバい世界はもう終わった。
    宇宙人占領下東京の平穏で危険な日常、僕らのぎりぎりの「今」を描く青春長篇小説。
    傑作短篇「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」収録』だ、そうで。


    なんともナンセンス…だけど傑作、かも。
    愛でもない青春でもない旅立たない』と、基本的なスタンスは同じで、主人公の思考がただつらつらと書き連ねてあるけれど、数段こっちの方が面白い。

    人の頭の中って本当にこんなんなのかもしれないなーと思えるし。
    一つの考えから、次の考えへと飛躍する過程も、少なくとも私の頭の中はいつもこんな感じかも。

    「愛」について、の見解もほぼ同じ。

    「日本最後の夜」という設定にも、無理があるようでいて、あんまり違和感ないし、こんなことあっても今の世の中ならおかしくないかなと。

    そしてさらに傑作だったのが、同時収録の短篇『ウンコに代わる次世代排泄物ファモナ』。

    あんまり「ウ○コ」を連発したくないけど、タイトルだから仕方ない…。
    男のみだしなみに関する描写と、見目麗しい男がそれを我慢している様は、もうほんとに爆笑に次ぐ、爆笑で…。

    ただ馬鹿馬鹿しくて笑える本が読みたい時に、ぜひ読んでもらえたらとお薦めしてしまうような本かも。

    この本の表紙の彼女が愛しそうに握り締めてるのって…結局、それなのねと。

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      『愛でもない青春でもない旅立たない』前田司郎

      愛でもない青春でもない旅立たない
      愛でもない青春でもない旅立たない
      前田 司郎 2005年 講談社 P.131
      ★★★★★
      僕はどこから来てどこへ行くのか。などと考え始める。多分どこへも行かないし、どこかから来たわけでもない。人の一生をベクトルのように、一本道にイメージするのは違うように思う。人の一生は瞬きのような。ポッと瞬いて消える。それが六十億もあるのだからなんとなく生きているように見えるのではないだろうか。本当は一瞬、ポッと光って消える。どこに行くのでもなく、どこから来るわけでもない。

      それなりに幸福で、それなりに不幸な、主人公、「僕」の日常。

      大学に行っても、友達とつるんでキャンパスを徘徊し、何をするでもなく、だらだらと中身の無い会話をして過ごし、「工事現場みたいな」バイトも近頃はサボりがちで、もう辞めたいなーとか、考えてる、何もかもが面倒くさい「僕」。

      彼女はいるけど、会っても何をするわけでもなく、ただセックスして、キスをして、それも何だかただ義務感だけで、そうしてるみたいで…特に会いたいとは思わないけど、嫌になったわけでもない。

      最近は、彼女といる時間より、大学の友人、山本と、山本が密かに気に入っているそぶりを見せる、元宮ユキと三人でいることの方が多くなった…。

      そして「僕」と元宮ユキは、山本と三人で飲んだ帰りに、二人だけになって、なんとなくそうなって…。

      「この小説は、恋愛小説かもしれないし、純文学かもしれない。そうでないかもしれない。ここにあるのはいわゆる青春ではない、しかし、まぎれもなく青春小説だ。」ふーん、、、。


      中身があるんだか、ないんだか良く分からないお話。
      どこまでが「夢」で、現実がどれなのか、最後まで理解できなかった。
      主人公の考えてることは、結構深かったけど…。

      主人公の行動自体は、本当にごくごく普通。
      浅草に出かけて、鳩に襲われてる修学旅行生を見て、お腹が痛くなるくらいに笑ったり(このシーンはすごく好きなとこ)、デートして彼女の部屋に泊まって(その時のアーティスト系の彼女のやってることが、不思議な感じだけど…それが、アートなのか)…。

      久しぶりのバイトの前日は、ちょっと緊張して夜中に無意味にテレビ見たり、何か食べたり…行けば行ったで、下っ端らしくへこへことしながら、言われるがままに石を運んで…。

      本当に、特に何にものめりこまないというか(バイトで考え出したことは、一応熱くなってたといえるのかな)、元宮ユキのことにしても、特に変わったことでもなくて、本当にタイトルのまんまなんだと思った。

      最後の方は、眠くて意識が朦朧としてきたので、ああ、これは「夢」なのか…と薄れていく意識の中で読み終わったので、本当に不思議な終わり方をしたような…それが却って良かったかも。

      このタイトルから、高校生の頃大好きだった映画「愛と青春の旅立ち」を思い出して、思い出すと、あの主題歌が頭の中をぐるぐると回って、一日中、離れなくなってしまった。
      若かったなぁ、リチャード・ギアも、私も。
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