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    『孤独か、それに等しいもの』大崎善生

    孤独か、それに等しいもの
    孤独か、それに等しいもの
    大崎 善生 2006年 角川文庫 P.219
    ★★★★★
    夕日に晒されている姿を見ているだけで哀しくなってしまうほどに、私は君のことが好きなんだ。胸の中はそんな気持ちで破裂するほどに膨れ上がっていたけれど、その感情が口から零れでることはなかった。涙となって溢れるばかりなのだ。
                          〜『八月の傾斜』より〜

    半ば、発作的に耳に開けたピアスの穴。
    忘れられない昔の恋人、大久保君の「ピアスの穴をあけると、24時間以内に、大切なものを失くしてしまう」という言葉を思い出した「私」は、その日一日の間に、失ってしまうものについて考えあぐね…『八月の傾斜』

    朝から晩まで働き続け、がむしゃらに坂道を登り続けてきたという「僕」。
    三十三歳にして、初めての人事異動で、それまでの自由な環境を奪われた「僕」は、やがて酒に溺れ始め、肝臓をやられ…『だらだらとこの坂道を下っていこう』

    来春結婚することが決まっている双子の姉の「藍」。
    下手なギャグを飛ばしては、人を笑わせてばかりいる心優しい彼にさえ、鏡の中に映る自分自身のような妹、「茜」のことを隠し通してきたのだが…『孤独か、それに等しいもの』

    仕事に行き詰まり、ふと蘇った二十数年前の「僕」の記憶。
    「僕」のあまり良く知らない、友人の友人たち六名のメンバーの、伊豆での合宿に参加することになった「僕」は、免許を取り立てで、ただ、ドライブがしたかっただけなのに、彼らの「勉強会」とやらにも付き合わされる羽目になり…『シンパシー』

    自分の内側から湧き上がる、ありとあらゆる感情を、見えない「籠」の中に放り込み続け、ついには自分自身さえも、その「籠」に捕らえられてしまった「私」。
    「私」の空っぽの胸の中には、ただ寂しさだけが鳴り響くという。
    それは、子供の頃、寒さに凍えながら、母が帰るのを待ち侘びたあの日から…『ソウルケージ』
    の5編から成る中、短編集。

    「憂鬱にとらえられ、かじかんでしまった女性の心を映しだし、灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説全五編。明日への小さな一歩を後押しする珠玉の作品集。」…なるほどね、という感じ。


    タイトルに惹かれて読んでみたけど、本文にも出てくるような、本当に梅雨時の雨の中に取り残されたような人たちばかりで、落ち込んでしまいそうになった。

    みんな大切な何かを失って、喪失感にがんじがらめにされて、自分自身をも失ってしまって…読んでいるこちらも、辛くなるほどに、それはもう壮絶に。

    人間の脆さとか、危うさとか、退屈さとか、狂気とか、そういった諸々の部分を見せ付けられたような。

    それでも、最後には、梅雨の晴れ間も見えるようで。

    つい、「さんまのからくりTV」に出てくる浪花の将棋少年、柔太君の「田中君、やまない雨はないんやで。」という名台詞を思い出してしまった。
    ええ言葉やなぁ…(あの子が言うから、格別なんだけど)。

    ただ、この本を読んでいて、突っ込みたくなるところも結構あって。
    特に「性描写」の部分…「それは、せんやろ〜」と、気になったところが、二ヶ所ほど…。
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