スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『チェーン・ポイズン』本多孝好

    チェーン・ポイズン
    チェーン・ポイズン
    本多 孝好 2008/11/1発行 講談社 P.332 ¥1,680
    ★★★★
     もう死にたい。
     それが思いつきの呟きではなく、積極的な願望にならなければ、私は死ねないのだ。死んでもいい、と、死にたい、とでは全然違うのだ。
     それでは、私は死にたいだろうか?

    誰からも愛されず、誰からも求められず…。

    恋愛も結婚も早々に諦め、心から打ち解けられる友人もなく、大したキャリアもないままに雑用同然の仕事を黙々と、ただこなすだけの日々を送る三十路過ぎの女。

    定年までの20余年、簡単に想像できる分、それは、彼女にとっては絶望的な未来――。
    最後の拠り所としていた唯一の他者との繋がり、「ブログ」でも悪意にさらされた女は、ある人物と出会い、その人物との約束である一年後の「安らかな死」だけを心待ちに生きることに…。

    一方、取材対象であった二人の人物に相次いで自殺された新聞記者は、その死の不自然さから同様のケースについて調査を開始する。

    そして、同時期に起きた一人の女性の自殺に着目し、彼女の周囲を徹底的に調べ上げた記者が辿り着いた、彼らの死に纏わる真実とは――。

    『あと1年。死ぬ日を待ち続ける。それだけが私の希望――。
    かりそめに生きることは、もうできない。選んだのは「死」。
    不思議な自殺の連鎖を調べる記者。そこに至るただひとつの繋がり。
    「生」の意味を現代に投げかける、文句なしの最高傑作!』だ、そうで。


    「一年後の安らかな死」を約束されたとしたら、自分ならと真剣に考えさせられてしまったかも。
    この主人公の一人である女性同様、私もキャリアとか関係なく、多分他人から見れば別に誰にでもできるような仕事をしているし(人間関係は全然違うと思えたけど)、定年までの日々も、安易に想像できてしまうし…。

    ただ、まだそこまでの「絶望感」は、感じてないかなと(「面倒臭い」というのは、ときどき感じることだけど)。

    一年後に楽に死ぬことだけを「生きがい」として、仕事を辞め、自分の存在価値を見出した彼女の変貌振りは目を見張るものがあって、「あれ、こんな言葉遣いのキャラだっけ?」とか、たかだか30過ぎなのに終始「おばちゃん」と呼ばれることには違和感を感じたけど、まあ、そういうことかと、納得。

    前に読んだ平安寿子さんの本で『誰かに何かをしてあげたいという思いは、エネルギーだ。その反対に、何かしてもらいたいという渇望は、何も生まない。 自分を救うのは、この「何かしてあげたい」という思いかもしれない。』という一節があって、つくづくその通りだと思えたけど、これもまた、そういう類の本なのかもしれないなと、つくづく(謎解き?裏切られ感?としてもなかなかのものかな)。

    JUGEMテーマ:読書


    0

      『正義のミカタ〜I'm a loser〜』本多孝好

      正義のミカタ―I’m a loserAmazonで購入livedoor BOOKS書評/国内純文学
      ★★★★★
      正義に打ち勝てるのは、恐怖しかないのだろうか。正義をふりかざしてくる相手が怖くて怖くて、どうしようもなくなって反撃する、その自暴自棄ながむしゃらさしかないのだろうか。
      見てろよ、と僕は思った。きっといつか、僕はそれを見つけてやる。きっといつか……。

      希望に胸を膨らませ、あまり名の知られていない三流大学の門をくぐった蓮見亮太、18歳の春――。

      人呼んで「スカ大」であろうとも、ここには、正真正銘筋金入りの「いじめられっ子」だった「僕」のことを知る人間がいないのだと、これから始まる薔薇色のキャンパス生活に思いを馳せ「大学って素晴らしい!」と浮かれる亮太の前に現れたのは、そこにいるはずのない、かつての「いじめっ子」。
      「幻覚か…」と、ありえない光景を受け入れられないでいる亮太。

      そのままひと気のない場所へとひきずられるように連れて行かれ、理不尽な暴力を受けながら「もう大学はやめよう…」と、今後のお先真っ暗な生活を考えはじめていた亮太は、一人の男の出現によって救われることに。

      そして、亮太の隠れた才能に目をつけた男からスカウトされ、ついていった部室には「正義の味方研究部」の看板が。

      そこでは「正義」について研究し、学内でそれを実践するらしいのだが…。あまり要領を得ないままに、亮太も部員の一人として「正義の味方」になることを認められ、その日から亮太の世界は一変することに……。

      「いじめ、リストラ、格差。こんな社会で生きていかなきゃならない、将来が少し不安なあなたに贈る、書き下ろし青春小説!」だ、そうで。


      どんな風に「いじめられっ子」から「正義の味方」へ変身していくのか…と、わくわくしながら読んだけど、「正義の味方」の活動がしょぼい…(というか、地味?)。

      結局最後は人数や暴力に頼って、これの何が「正義」なのかと(まあ、その辺の事情は、おいおい分かってくるんだけど…)。

      そもそも「正義の味方」って何だろう?と考えると、耳に馴染みのある言葉「弱きをたすけ 強きをくじく」(タケちゃんまんの歌詞は「強きをたすけ 弱きをくじく」だったかな?これって今の日本の政策の象徴みたいな歌詞だなぁと、今さらながら感心したりして…)が、真っ先に浮かんでくるし、私の中での「正義の味方」は、金持ちからお金を奪って、貧しい庶民にばら撒くという「ねずみ小僧」なので、倫理には反するのかもしれないなと。

      なので、この本に出てくる「正義の味方」の敵とされる一人の男が、私には何故か一番の「正義の味方」に思えてしまった(例え、警察に捕まるようなことをしていたとしても…弱者には優しいというか…)。

      まあ「正義」云々よりも、「不公平」感を口にする亮太の気持ちは、分からなくないけど、マイナス思考すぎて、いらいらしてしまった(こういう考え方の男の人、私の周りにも多いけど、何か違うんじゃないのかなぁと…)。

      そしてなんやかんやあっての、亮太の感じる「正義の味方研究部」に対する違和感は、最もなことで…、しかも最後のそれって、まるきりヤクザ屋さんの世界みたいな展開で、仮にも「正義の味方」を名乗る人間が、無抵抗な人間にそんなことしていいのか?と(みんなエゴエゴだし)。

      疾風のように現れて、疾風のように去ってゆく、元祖「正義の味方」の「月光仮面」のおじさんは、あまり記憶にないので、SMAPの初期の頃の歌「正義の味方はあてにならない」の方が、読んでいてしっくりきたかも…。

      大義名分ふりかざすより、どこにでもいる普通の人間の、ごくごく当たり前の行動であってほしいというか。

      0

        『FINE DAYS』本多孝好

        FINE DAYS
        FINE DAYS
        本多 孝好 2006年 祥伝社文庫 P.334
        ★★★★★
        この年になっても、恋心というのがいったい何なのか、わからずにいます。恋をしていたころは、それはわからなくてもいいものだと思っていました。それはただそこにあるのだから、わからなくともいいと。恋をしなくなってからは、わかる必要がなくなりました。それはもう二度と手には戻らないものだから、わからないほうがいいと。

        「ニヤケ」と生徒から呼ばれる高校教師、三宅が学校の屋上から飛び降りて死んだ。
        ズボンをずりおろしたままの格好で死んだ教師は、その前日、一人の女生徒とトラブルを起こしていた。
        三宅の頬を叩いた、その女生徒には、転校前の学校で何人も人を殺したという噂があるという。
        噂を面白がり、からかった女生徒の一人も、また大怪我をするはめに。
        一躍「魔女」として、一部の女生徒から祀り上げられた彼女は、それを良く思わない学校一強い女、から屋上に呼び出され…『FINE DAYS』

        癌に侵され、余命いくばくもない病床の父親から、スケッチブックを渡され、そこに描かれている女性を探してほしいと頼まれた息子の「僕」。
        父親との折り合いが悪く、一年前、家を飛び出していた「僕」は、父親の意外な過去に興味を示し、父親の三十五年前の恋人が住んでいたと言うアパートに足を運ぶ。
        老朽化し、すぐにも取り壊されそうなアパートのドアを開けると、そこには若き日の父親の姿が…『イエスタデイズ』

        妹の死に罪悪感を抱き、その亡霊に縛られるように生きる大学院生の「私」。
        ゼミの飲み会で顔見知りになった、無口な青年、姉と暮らし、家に他人が来ることを極端に拒む結城に、自分と同じ「怯え」を嗅ぎ取り、親しくなっていく。
        そんな結城の周辺を嗅ぎ回る男の存在に気付いた「私」は、結城の持つ、ある能力の話を聞かされ…『眠りのための暖かな場所』

        彼女へのクリスマスプレゼントを買うため、アンティークショップを覗いた「僕」。
        以前から目をつけていた、「ランプシェード」は、いつもの場所にはなく、落胆している「僕」を、店主の老婆は、店の中に招きいれ、「ランプシェード」に纏わる不思議な話を聞かせてくれる。
        ある女性を守るために祈りを込めて作られたという「ランプシェード」の話と、「僕」と彼女の関係がいつの間にか重なり…『シェード』
        の、4つの「不思議な力」の物語集。

        「火をともそう。僕が持ちうるすべての力を使って
        新世代の圧倒的支持を受ける著者が描く、奇跡のラブ・ストーリー」だ、そうな。


        『FINE DAYS』は、途中まで、「僕」と友達の関係がものすごく感じ良くて、何と爽やかな青春物…と思って読んでいたら、意外な展開にびびってしまった。

        『イエスタデイズ』は、東野さんの『時生』のような雰囲気。
        遺産を放棄するなんて、もったいない…と、現実的なことを思ってしまったけど。

        『眠りのための暖かな場所』のラストは、この人どうなっちゃうんだろう、と心配になる。
        好きになれない人だけど。

        『シェード』の、ガラス職人の恋の話は、少し切なくて…その、ガラスで出来たランプシェードとやらを見てみたいと思った。

        表紙の鮮やかなイラストに惹かれて読んでみたけど、全体的には、ぼちぼち…だったかな。
        異例のロング・セラーという謳い文句に期待しすぎてしまったからかも。
        0

          1

          calendar

          S M T W T F S
               12
          3456789
          10111213141516
          17181920212223
          24252627282930
          << September 2017 >>

          読書メーター

          uririnの最近読んだ本 uririnの今読んでる本

          新刊チェック

          selected entries

          categories

          archives

          recent comment

          • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
            uririn
          • 『痺れる』沼田まほかる
            uririn
          • 『絶望ノート』歌野晶午
            uririn
          • 『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
            いちれん
          • 『痺れる』沼田まほかる
            くり
          • 『絶望ノート』歌野晶午
            智広
          • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
            uririn
          • 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』辻村深月
            苗坊
          • 『永遠の0』百田尚樹
            uririn
          • 『永遠の0』百田尚樹
            苗坊

          recent trackback

          recommend

          recommend

          recommend

          recommend

          recommend

          recommend

          悪人
          悪人 (JUGEMレビュー »)
          吉田 修一
          読み終わった後も余韻に浸りたくなるような…これは、すごい。

          recommend

          しずく
          しずく (JUGEMレビュー »)
          西 加奈子
          サイン本買っちゃった。

          recommend

          recommend

          たぶん最後の御挨拶
          たぶん最後の御挨拶 (JUGEMレビュー »)
          東野 圭吾
          猫なんです…。

          recommend

          recommend

          recommend

          ねこの肉球 完全版
          ねこの肉球 完全版 (JUGEMレビュー »)
          荒川 千尋,板東 寛司
          たまらん。

          recommend

          ニャ夢ウェイ
          ニャ夢ウェイ (JUGEMレビュー »)
          松尾 スズキ, 河井 克夫
          たまらん…

          recommend

          recommend

          僕たちの戦争
          僕たちの戦争 (JUGEMレビュー »)
          荻原 浩
          とにかくお薦め。

          recommend

          出口のない海
          出口のない海 (JUGEMレビュー »)
          横山 秀夫
          たくさんの人に読んでほしい…

          links

          profile

          search this site.

          others

          mobile

          qrcode

          powered

          みんなのブログポータル JUGEM

          使用素材のHP

          Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

          PR