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    『ジバク』山田宗樹

    ジバク
    ジバク
    山田 宗樹 2008/2/25発行 幻冬舎 P.399 ¥1,680
    ★★★★★
     すべてをお終いにしたかったのだ。
     それなのに、俺は生き延びてしまった。義足という異物を着けて、また歩かなくてはならなくなった。
     ………
     そこになにか意味はあるのか?
     価値はあるのか?
     そもそも、生きていくって、そんなにいいことか?
     俺は、生きてきたばかりに、若さを失い、職を失い、家族を失い、友人を失い、財産を失い、そして左脚まで失った。これからも失い続けていくだけの人生が待っている。
     そんな人生を生きて、なんになる?

    年収2千万、美しい妻、そしてもうすぐ1億4千万のマンションに移り住む予定の、外資系投資会社のファンドマネージャー、麻生貴志、42歳。

    自ら「人生の勝ち組」と自認する貴志は、郷里で行われた同窓会に出席し、過去に見向きもされなかった、かつての憧れの女性「ミチル」に再会し、現在の成功した自分の力を見せ付け、「ミチル」の気を惹きたいが為に、「みちる」に儲け話をもちかけることに。

    そうして手に入れた「ミチル」との情事に溺れる貴志に仕掛けられた、貴志を天国から地獄へと一気に引きずりおろそうとする巧妙な罠。

    職と家庭を一度に失ったものの、まだ自分自身を過信する貴志がかろうじて得た新しい仕事は、詐欺紛いの未公開株の電話でのセールス。

    上司の叱責にも堪え、ようやく厳しいノルマをこなせるようになった頃、貴志をまたもやどん底に突き落とすかのような、世間を騒がす事件が起き、身を隠すように行きずりの女の部屋に転がり込むことに。

    そして女のヒモ同然の生活に甘んじていた貴志は、今度は生命の危機にさらされてしまい……。

    「女は哀しくも怖ろしく、男はどこまでも愚かだった。
    押し寄せる衝撃と感動。
    残酷なまでに転落する人生を描く『嫌われ松子の一生』男性版!」だ、そうで。


    気分が滅入ってるときに読むと、ほんとに落ち込んでしまいそう…。
    どこまで主人公を不幸にすれば気が済むのか…というか、最初のつまづきで何でここまで…と、思わなくもないかな(男の人の、そこまで女にのめり込むスケベ心はよくわからないし)。

    松子もたいがいだったけど、そこは女の方が逞しくて、まだ救いがあったような。
    これは男がダメダメすぎて、ほんとうに救いがないというか…でも、そこが現実っぽくて余計に悲しくなるというか。

    主人公と年齢が近い分、この先生きていても、本当に失うことばかりだなと思えなくもないし。

    今は良くても、いつこうなるか解らないなと、ある意味ホラーよりも怖かったかも。
    でも、自分はもっと強くありたいなと。

    JUGEMテーマ:読書
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      『ランチブッフェ』山田宗樹

      ランチブッフェ
      ランチブッフェ
      山田 宗樹 2006年 小学館 P.253
      ★★★★★
      私は、自分がなりたいと思っていた大人に、なったのだろうか。
      なれなかったのだろうか。
      ならなかったのだろうか。
      それはもう、間に合わないのだろうか。      〜『山の子』より〜

      年明け早々、時間を持て余し、退屈していた男の元に届いた二通の手紙。
      一通は別れた妻からの、そしてもう一通のがさつで汚い文字は、まぎれもなく「俺」本人の文字…。
      宛先も、差出人も「俺」という、その手紙を開けてみると…『二通の手紙』

      社運をかけて開発された新製品の農薬「ブラサイト」を散布した農家から、思いがけないクレームがつき、慌てて現地に向かう化学薬品会社の営業課長、辻。
      薬害を被ったという農家の主は、ことを穏便に済ませる代わりに、辻にとんでもない話をもちかけ…『混入』

      何不自由なく、順風満帆な生活を送る、38歳の専業主婦、信子。
      そんな信子でも、時にはマイホームが忌々しいと感じることもあり…。
      そんな彼女のストレス発散の場である、シティホテルのランチブッフェ。
      いつものように中学時代の同級生四人が集まり、たわいもない愚痴や、昔話に花が咲き…『ランチブッフェ』

      西暦2000年、支持率低下に頭を悩ませる内閣総理大臣が、支持率アップのための画期的(?)な施策を打ち出した。
      そして、その頃、過疎化の進む小さな田舎町で、「いつか町を出て、ひと山当ててやる」というのが口癖の一人の男が、友達から儲け話をもちかけられ…『電脳蜃気楼』

      結婚四年目で妊娠した妻の出産を、心待ちにする夫。
      お腹の子に話しかけ、耳を当てると聞こえてきたのは、どこがもの哀しげな鳴き声。
      脅える夫の不安をよそに、お腹の子はすくすくと育ち…『やくそく』

      立ち直るためのきっかけになれば…と、妻に背中を押され、子供の頃に行った儀式を一人で再現しようと、故郷の神社を訪れた男。
      異界の妖気が満ち溢れるような真っ暗な神社の境内で、昔やった通りに薪に火を点け、鰯にかぶりつこうとしていた男の元に、飛びこんできたものは…『山の子』の、6編から成る短編集。

      「信子、38歳、専業主婦。特に生活に不満はないけれど…。
      映画『嫌われ松子の一生』原作者が贈る、ランチでのひとときに浮び上がる女たちの人生模様を描いた表題作ほか、笑い・涙・恐怖・切なさ満載のオムニバス短編集。」だ、そう。


      全く趣の異なる6編、なので、一冊でいろいろ楽しめる(グリコのおまけみたい)。

      表題作の『ランチブッフェ』は、本当にたわいもない主婦のお喋り、という感じで、「あるある」と思えたけど、それにしても、みんな優しいなぁと思ってしまった。
      私たちの場合、もっとどぎつい毒吐きまくるけど…それとも最後のあれは、悪意なのかな?
      いや、やっぱり普通に良い人達なのか…。うーん。

      『やくそく』は、こんなことが、もし本当にあったら、男の人はどうするんだろう…と心配になってしまった。
      怖い、怖すぎる。

      『電脳蜃気楼』は、何か雰囲気が異なる中でも異なるというか、のっけの首相の登場からして、ギャグっぽくて…こういうのも書くんだなぁと、意外な感じがしたけど、幅が広いのね。

      今、ドラマで放映してる『嫌われ松子の一生』は、原作に忠実で(甥と姪の違いは何でなんだろう?)、展開が早くて、なかなか面白い。
      そう言えば、なんか「大奥」で見た顔ぶればっかりのような…。

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        『嫌われ松子の一生』山田宗樹

        嫌われ松子の一生 (上)嫌われ松子の一生 (下)
        嫌われ松子の一生 (上)
        嫌われ松子の一生 (下)
        山田 宗樹 
        ★★★★★

        東京の小さなアパートの一室で、中年女性の変死体が発見された。
        彼女の名は松子。
        彼女はなぜ、一人ぼっちでこんなところで死ななければならなかったのか…。

        これまで話にも聞いたことのなかった叔母の存在を、亡くなってから初めて知った松子の甥、大学生の笙。
        彼は父親に頼まれてしぶしぶ松子のアパートの後片付けをしているうちに興味をひかれ、松子の生涯を調べ始める…。

        部屋で見つけたセピア色の写真の中の松子はとても清楚で美しい女性であった。
        しかしアパートの住民の話では、松子は近所でも鼻つまみもので「嫌われ松子」と呼ばれていたらしい。

        国立大出の才媛で、かつては中学校の教師であった松子が「嫌われもの」と呼ばれるようになるまで、ここまで一体どんな人生を生きてきたのだろう。

        男運がない。男を見る目がない。男に翻弄され続け、搾り取られ、捨てられ続け、裏切られ続ける。

        そしてこの最後である。

        けど、幸せな瞬間はあったと思いたい。
        不器用で一生懸命で、下手くそな生き方しかできなかった松子。

        本屋さんで何度も手に取りながら、何となくタイトルから買うのを躊躇してしまった。

        映画では、松子=中谷美紀。若い頃の松子は想像できるけど、年いってからはどう変貌していくのかな…。


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